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カナたん見守り隊:3
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またしても俺は京也に頭を鷲掴みにされてしまった!
「……痛いんですけど……。」
今回は暴れずに言葉で抵抗を試みる。
京也はそれを聞くと、少し慌てたように手を離し、ばつが悪そうな顔をして俺を見下ろした。
「お前、名前と学年は?」
俺が痛む頭をさすっていると、京也は顔を赤くして怒った顔をしながら聞いてきた。
……これ、今後校舎裏とかに呼び出されていじめられるフラグかな?
京也のことを知っていても、俺よりデカいというだけで怖い。
というか、京也に気を取られてカナたんを見失ってしまった。
俺は京也そっちのけで走り出した。がしかし、何故か10cm高い男が追いかけてくる。クソ怖い。しかも速い。
校門の向こう側にカナたんが見えた。
俺はカナたんにバレないようにスピードを落とそうとそう思った時、校門にあるちょっとした段差に躓いて俺は膝からコケた。
「っ……!」
膝と手を思いっきり擦りむいて、めちゃくちゃ痛かった。
俺だってまだ小学4年生だ、生理的な痛みで涙が零れた。だけど、転んだ時に大きな声を出さなかった、流石俺。
ちらりとカナたんの方を見るけど、コケた俺に気づいた様子は無い。ひとまずホッとした。
俺が安堵と痛みで動けないでいると、不意に身体が浮いた。
後ろから追いかけてきていた京也にお姫様抱っこされてます俺。
痛いけど、涙は引っ込んだ。
「……悪かった。怪我させるつもりは無かった。」
そういって、京也はそのまま反対方向へと歩き出した。
いや、別に京也のせいではないけど……。
カナたんから離れちゃったし……ていうか……。
「……なんで追いかけて来たんですか。」
「お前が逃げるからだろ。」
「いや、逃げてないです。」
「なら何でいきなり走り出した。」
俺は口を真一文字にして黙った。
カナたんの親友に『カナたんを見守る為です』なんて言えない。
「とりあえず、保健室に連れてくぞ。」
「いや、自分で歩けるので降ろしてください!」
歩けないほどの痛みじゃないし、ましてやお姫様抱っこなんて恥ずかしい。
まだ辺りに学生達がいるのだから、クラスメイトとかがこれを見たら明日あたりに絶対茶化される。
俺は京也を睨みつけてやった。
しかし、京也はちらりと俺を見ただけで無言で歩き続ける。降ろすつもりはないらしい。
暴れて落ちるのも嫌だから、俺は諦めてそのまま連れていかれた。
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