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カナたん見守り隊:4
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保健室にて治療を終えるまで、京也は黙って後ろに立って待っていた。
一応運んでもらったお礼と先に帰宅していいからと声をかけたが、首を縦と横に振るだけだった。
「失礼しました。」
俺と京也は2人して頭を下げて保健室を出ると、京也が俺の手を握って歩き出した。
俺は少し引っ張られるようにしてそれに続く。京也曰く、また逃げられても怪我をされても困るとの事だ。
いや、逃げたんじゃないんだけどな……。
「大咲大雅、家はどの辺にある?」
先程保健室で治療してもらった時に自分のクラスと名前を保健医に伝えた。それで俺の名前もクラスも京也に覚えられてしまったようだ。
本当は、カナたんの友人関係に当たる人には俺を認知して欲しくなかったのだが……致し方ない。
俺が自分の家の場所を教えると、京也はふんと鼻を鳴らして前を向いて歩いた。
京也からご機嫌な雰囲気を感じるが何故だ……?
***********
京也は俺を家まで送るつもりなのか、俺の家がある通りまで手を繋いで帰ってきた。
角を曲がりあと少しで家だという時に、自転車を押した亮太とばったり遭遇した。
「あ、タイガ!これからいつものメンバーで遊ぶんだけど……。」
俺を認識した瞬間、犬が尻尾を振るように笑顔で話しかけてきたが……俺の隣にいる京也を見て固まった。
「……タイガそいつ誰?」
亮太の目が死んだ。
目が笑っていない笑顔に俺がビビって黙っていると、亮太は自転車を停めて、俺から京也の手を剥がした。
そして、俺の肩を掴んで問いかけてくる。
「今日は用事があるって言ってたけど、その用事ってこいつといる事だったの?」
「俺とじゃなくて、俺が知らない奴と仲良く手を繋いで帰ってきて、しかも膝怪我してるし。こいつタイガの何?」
何故がブチ切れている亮太。
俺はどうすればいいかわからなくて、怖くて涙目になる。
「お前こそ、大咲……大雅の何だ?」
京也が剥がされた手を握りながら、不機嫌そうに亮太を睨みつける。
「俺はタイガの親友だよ。お前こそ何だよ。」
160cm超えの京也に怯みもせず、亮太は京也を睨み返した。
「俺は大雅の……。」
そう言って言葉を止めて、京也は俺を見つめてきた。
……え、お前は俺の何なの??
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