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溺死少年と一つ目の双子
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――「放課後、プールの4番レーンで泳ぐと長い髪が足に絡みついて地獄に引きずり込まれてしまう」
小学三年生にもなってこんな怪談話を信じるのはバカだと思った。でも――、
「やっと目が覚めたようだなクソガキ」
「よく寝た気分はどうなのクソガキ」
二人の一つ目小僧が、左右からぼくをのぞきこんでいる。
「妖怪!?」
やっぱりぼくは地獄に引きずり込まれちゃったんだ。頭がサーッと冷たくなっていく。
「おいクソガキ。我らは妖怪ではない」
「千年魔王の左目右目から生まれし、悪魔兄弟であるぞ」
「ごめんなさい! 帰ります!」
飛び起きて、さらにびっくり。
ぼくが寝ていたフカフカのベッドはとてつもなく大きかった。大人が10人寝ても余裕がありそう。
どんなにごろごろ転がっても出られない。
部屋自体はもーーっと広くて『お屋敷』と呼ぶしかない豪華さ。
金色のシャンデリアに深紅のカーテン、壁一面の本棚、ゴテゴテした飾りがついているソファーやテーブル……。
「すごーい、ゲームの世界みたいだ」
「ゲームみたいなここが今日からお前の世界だ」
「え?」
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