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約束
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僕たちは裸のままベッドに横たわっていた。カリストの長い緑色の髪に指を滑らせて、とりとめのないことを話した。
「ねぇ、僕が死んだらどうなるの?」
「私の胃の中さ。」
「そうなんだ。」
カリストは喉の奥で笑う。
「悪魔憑きは死んでも悪魔憑きさ。君たちの死体も悪魔の持ち物だ。聖物が当たれば焼かれるし、結界にはじかれる。」
僕はそれを聞いて、何事かに思い当たった。
考え込んだ僕に、カリストが尋ねた。
「怖いかい?」
「死の門をくぐって、燃やされて、その辺の畑の肥料になるより、ずっといいと思う。」
カリストは僕の人生で出会った唯一の光だった。妙な話だが、この悪魔と出会わせてくれて、女神様に感謝している。
だからこそ、罪悪感があった。
「ごめんね、良い悪魔なのに、こんなことに巻き込んで。」
僕の真剣な謝罪に、カリストは笑い出した。
「君は面白いことを言うね。ふふ、良い悪魔なんていないよ。」
「そうかな?カリストは良い悪魔だと思う。」
「悪魔がどのように生まれるか知っているかい?」
「女神様を裏切った人間がそうなるんでしょう?」
僕があやふやな教書の知識を述べると、カリストが教書に載らない事実を教えてくれた。
「そうだよ。元は人間なんだ。それが、女神の力でばらばらにされて、砂粒のような状態になって、地中に埋められる。それが次第に、力をつける。悪魔として、より高位へ上っていく。力は増大し、形を得る。最初はただの球体、それに手が生えて、足が生えて、頭ができる。力をつけた悪魔は、人間の姿になっていく。いいや……。人間の姿に戻っていくんだ。心も、どんどん人間に戻っていく。だから、寂しいのさ。人間は、一人では生きられない。」
話しているカリストの瞳があまりにも悲しげで、僕は彼の首に抱きついた。もう一人ではないと、彼に伝えたかった。
「トリク、君は戦場で死んではいけないよ。君は、私を置いて死んではいけない。ああ、私はすっかり改心した。君の無事を、女神に祈ってもいい。」
「うん、うん…誓うよ、絶対に死なない!」
僕たちは朝まで指を絡めたまま眠った。
僕がカリストと正式に恋人になった数日後、僕の出兵が決まった。
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