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花火?!
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「ミナくんミナくん」
と慌ててリビングに戻ってきたのは喫茶店勤務の李仁、43歳。
「なぁに、何かあった?」
とリビングで本を読んでいた元高校教師で現在市役所勤務の湊音、同じく43歳。
二人は男性同士でパートナーシップ制度で家族になった二人。
金曜日の夜のことだった。
「隣の市で日曜日に花火上がるらしいよ」
「えっ、どこ情報?」
「隣の市のことは耳に入らないわけ?」
「聞かないよ……こっちの市は今年も祭りやらんし。どこもないもんだと思ってたしね」
この三年、世の情勢で毎年夏に行われていた各所の祭りは中止になっていた。
今年は縮小されて開催されている場所もあるそうだが彼らが住み、湊音が勤める市役所の管轄内の地域では中止が決まっていた。
だが隣の市では地元内の何ヶ所で花火が打ち上がるという情報を湊音よりも交友関係の広い李仁が仕入れてきたのだ。
「で、どこで上がるのさ」
自分の横に座ってきた李仁のスマホを覗き込む湊音。
「一つは特定したわ。〇〇小から上がるらしい。だから、そこの近くのスーパーで見るって」
「ああ、あそこね……他は?」
「他はねぇ、みんな知らないって言うけど……いつものお祭りの会場近くでも上がるらしいけどシークレット花火だから非公表らしくって」
と聞いて湊音はガッカリする。
「でもさ、ミナくん……忘れてない?」
「何を……」
「2年も花火上がってないから忘れてた?」
「あっ」
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