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その後、天狗の食事【弍】
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「甘めで薄味で……なんだっけ?」
要望が多すぎて覚えることができなかった。天狗は和食が好きだろう、と勝手なイメージでナスとオクラのごまつゆお浸しに玉子焼きとみそ汁。それと、自分が食べたいやみつきキュウリ。
まぁ、口に合うか合わないかはともかく、劉星はなんでもおいしいと言うだろう。食卓に並べると、劉星は目を輝かせた。
「久しぶりの誰かの手料理だ!」
そう言ったかと思えば、すごい勢いで食べていった。あっという間に作ったものがなくなっていく。
ああ、そういえば父に作っても何も言ってくれなかったな、と過去に少しだけ浸ってみる。学費も払ってくれていたし、不幸だとは思わなかったけど、手料理を褒めてくれたのは最初だけで、何回も食卓へ並ぶうちに感謝の言葉はもらえなくなった。
「おかわり!」
劉星が空になった皿を差し出す。あとで自分が食べる用にのけていた分を入れようとすれば、ちょっと待て、とストップがかけられる。
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