アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
その後、劉星の顔【弐】
-
変に逃げたせいで余計気まずくなった今日この頃。蓮は劉星の顔を見れずにいた。
「別に蓮が病むことはない。自分がなりたい顔でもなかったし、周りの流行に合わせて変えた顔だから思い入れもない」
「そんな雰囲気出してた? ごめん」
いつもと変わらない雰囲気を出していたつもりだが、どうやらそうではなかったらしい。
「天狗になってよかったことは、周りの反応に合わせてもう自分の顔を考えなくてもいいことだ」
「そうだけどさ」
確かに劉星が彼女の兄に似てなければ、攫われてもいいだなんて思いもしなかっただろう。なんだか複雑な気分だ。
「もちろん、天狗は人間を好む。現代から人を攫って嫁にすることも多々ある。あの天狗の母は人間の娘だった」
「人間の娘って……天狗の母親に会うほど天狗と仲良くしていたのか」
少しだけ複雑な気持ちになった。
「そういえば、気配が蓮に似ていたな」
今まで存在していなかった母親が急に現れた。
「え?」
たしかに母親がどこにいるのかわからない。ただ、わかるのは父が繰り返し言っていた「突然どこかに消えた」ってことだけ。そうなると、黒いモヤモヤが生まれてくる。俺らを捨てて天狗の妻になったのか、と。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 16