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天狗への怒り
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「どうした、蓮?」
劉星は心配そうに見てくる。当たり前だ。劉星は母親が失踪したことを知らないだろう。
「ううん、なんでもない」
平静を装いつつ、内側には天狗への怒りが溜まっていった。
「なんか気分が悪いことでも言うたか?」
「いいや、ちょっと身体の疲れが出ただけ。気にしないで」
すなおに愛する言葉を言えないのに、言い訳だけはスラスラとでてくる。そんな自分が嫌いだ。
「そうか……」
劉星はそれ以上深く踏み込むことなく、会話は終わった。
***
数日経っても失踪した母への想いが止まらなかった。時間がたてば、前みたいに忘れるはず。それなのに、日に日に強まってくる。
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