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幸は俺に考えろと言い、それ以降その話題を出すことなく、飲み食いをして解散となった。
そして帰り際に幸から
『どんな人が相手かは知らないけど、考えることから
逃げるなよ。
お前の悪い癖だからな』と釘を刺された。
俺の事を昔から知ってる幸だからそう言うのだ。
自分の性格上、物事を深く考えたりせずに自分が楽な方へ逃げ道を作ってのらりくらりと生きてきた。
特に…恋愛に関しては人と深く関わるのか苦手だから特定の人を作らない、そうやって恋愛からは逃げてきた。
1人の相手にのめり込んでしまう傾向があるから、依存するとその人の何もかもが欲しくなる、抑えが効かなくなる。
だから一夜限りの相手しか選ばなかった
だけど悠都は違う、と思う。
ちゃんと考えたい、気はする
だから幸に言われた『考えることから逃げるな』という言葉がやけに頭から離れなかった
「まぁ、考えるさ」
と、言った瞬間スマホがブーッと震えたので画面を見るとそこには『佐藤悠都』の名前が記されており、
バッと手で口を覆う
(ぅ…っわまじか…)
どうしてか?
悠都の名前だとわかった瞬間に口角があがり、
幸が言っていったように心がホワッとしたのがわかってしまったからである。
「タイムリーすぎるだろ」
掌でブーッブーッと震えていたスマホを耳に当てる。
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