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「なぁ〜聞いてくれよ〜」
べろべろに酒に酔った声で話しかけた相手はサボテンだった。
「黒田がまた女の子に告られて振ったんだぜ!!オレなんて!!女の子に話しかけられることなんて仕事以外にないのに!!」
グビッと酒の缶を仰ぎ、羨ましいこと、凄いと思ったこと、意外だと思ったことを口から吐き出すこの男、楠木星也(くすのき せいや)は今年度新社会人になったばかりだ。
大学時代から一人暮らしをしており、私生活は変わりなく、中学の頃から手間暇かけて育てているサボテンにこうして1日にあったことを話すのが日課になっていた。
「どうせオレなんて……」
うとうとと瞼を閉じる間隔が早くなり、かくっと頭が落ちたところで、一瞬覚醒する。
「寝よ……」
布団まで行くのが億劫なのか、立ち上がってソファーに倒れ込むと、そのまま寝てしまった。
コトリと小さな音がなる。
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