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告白(視線はキャベツ)
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俺が目を覚ました時には、松永は起きて朝飯の準備を始めていた。
台所から流れる水音で松永がそちらにいるのが分かる。
ベッドから起き上がり、廊下の台所に向かう。
松永がそこにいた。
「おい、もう大丈夫なん?」
「うん、寝たらよくなったから。今さっき作りだしたから寝てていいよ」
松永はエプロン姿でこちらを向き微笑んだ。
松永の額と頬に手を当てる。
うん、熱はひいているようだ。
そのまま背後から松永を抱きしめた。
今日もいい匂い。優しい体温。
松永は一瞬手を止めたが、何事もなかったようにまた朝食の準備を進めていた。
あれ?今、俺何かを思い出しかけた。
なんだ?
松永が俺の頭を胸に抱えて頭を撫でていた。
松永を見上げると、目を閉じてなんか泣いてたような。
俺、松永にその時何か言ったような気がするがそこで記憶がない。
寝ぼけてたのか夢なのか。
「松永昨日俺寝ぼけてなんか言った?」
「何が?」
「いや、気のせいかな」
松永は首だけ振り返って俺の顔を近くで見てたが
「分からない」
と言ってまた前を向いてキャベツを手でちぎりだした。
「松永昨日寝る前に言ったこと覚えてる?」
「うん」
「エッチしていいん?」
「うん」
「いつやる?」
松永は考えている。背中越しに松永が考えているのが伝わる。
戸惑いは感じられない。
なんだかいつも以上に静かな背中だった。
背後から抱いているとすごく落ち着く。松永の優しい体温を感じる。
今日はお互い休みなのを俺は知っていた。お互い時間はあるってことを。
「園芸部の部室に顔だけ出したいんだけどいい?昨日あんな状態だったから。いるかどうか分からんけど土曜日にはモリクミさんいるって話をしていたからいるかもしれない。お礼だけ言いたい。ちゃんと言えんかったから」
「俺も行く」
「うん、その後でもいい?」
「それでいい。松永に合わせる」
「うん」
「愛しとうよ、松永」
この1カ月弱で、もう何万回も松永に言ってきたフレーズを伝える。
「うん、僕も。愛しとる」
「!?」
初めて松永に愛しとると今言われた!?言った!?
「ど・どうした!?」
「は?」
「今なんて言うた?」
「愛しとる言うた」
「何を?」
「お前を」
何事もなかったかのようにしれっと言いやがった。
お前、キャベツちぎりながらそんな大事なこと言うなや!!キャベツに向かって告白してるみたいやないかっ!!
「こっち見て言ってくれよ!!おい、もう一度こっち見て言ってくれ!!」
「バカか!!邪魔!!あっちに行っとれ!!」
「おぃいいい!?もっとなんか、こうあるだろ!?俺初めて言われたんぞー・・・・」
「あっち行け。くどい」
正直、嬉しくて駆け回りたい気分だった。
やっと両想いになれた!!松永の鉄壁の守りを崩してゴールした。
なのになんでこいつ、サラダ作りながらぼそっ、て言うんか。。。。
でも、今の愛しとるは自然だった分、松永の素の気持ちを感じた。
なんか俺の今までの妄想と違うシチュエーションだが・・・・まぁいいや。
松永の様子がおかしいと最初思っていたが、そんなことは忘れて、初めて愛しとると言われたことに俺は浮かれていた。
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