アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
恋人破壊バグ
-
目の前で愛を育むご主人様とその相手を見て、僕も『番』になりたくなりました。
――恋人破壊バグ。
僕は、ご主人様に作られたオメガロイドのオメガ。ネーミングセンスがない名前ですが、名付け親はご主人様です。
僕が作られた理由は、ご主人様の人間オメガ恐怖症です。オメガという出会う確率が低い存在におびえ、数多(あまた)の論文を駆使して作られたAIが僕の生まれた瞬間でした。
そこから機械の体を与えられ、人工でできた白く透き通る肌や宝石のように綺麗なブルーアイの瞳、サラサラな金色の髪の毛などのパーツがつけられました。
僕の作られた姿はご主人様の好きな人物です。理由としましては、ご主人様の部屋の掃除をした時に見つけた写真です。僕の姿と瓜二つでした。
複雑な気持ちにならないのか、と思う方もいらっしゃるかと思いますが、僕にとって『その方』がいらしゃっらなければ、こうして人間の体を与えられることもなく、むなしくパソコンの中から話しかけることしかできない存在で終わっていました。経緯はどうであれ結果的にはよかったと判断します。
ただ、問題は冒頭に出てきた人間オメガの存在です。
僕を作り上げたことで、ご主人様はオメガの生態を知り、オメガに対する恐怖がなくなりました。
それはご主人様と三年間暮らした中で僕の存在意義があった、ということですが、同時に自分の存在意義を危うくしてしまいました。
これは、大きな誤算です。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 10