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扉をくぐった先は綺麗に白で統一されていた。所々金色で装飾されているが、あまり主張しておらず上品な調度品の数々だった。
長い一本道の廊下を歩いていた際に何部屋か通り過ぎたので縦にそこそこ広い建物だ。
教会とはまた違った神聖な雰囲気に少し胸が高鳴るのを感じていた。
昔から好きなんだよね…神様とか!堕天使が大天使様達に辱められてもいいし。ルシフェルとか単語で萌えますね。
「……素敵」
「どうかしましたか、ユウ君?」
つい零してしまった私の言葉に前を歩いていた教頭が振り返った。
しまった、妄想がだだ漏れだったよ。
「いや、ここの建物全ての装飾品が凝っていて素敵だなと思っていたんです。そしたらつい口から出てました。」
「そうでしたか…それは嬉しいですね。私が建てたわけではないのですが長く勤めていると愛着がわくものでね。」
上品に笑う教頭が少し表情を和らげて壁に彫られた模様を指でなぞった。
「色々と凝っているみたいで世界が構築された頃から王国誕生までの神話が彫られてるんですよ。…ここの飾りはシシリア王国を作り上げた初代王様をモチーフに彫られたみたいですよ?長い歴史なので本当かどうか分かりませんが」
苦笑しながらそう言って指差した所には本当に細かく壁に彫られた人物が立っていた。
おお、筋骨隆々!上半身裸!
カッコいいなー…と壁を見ながら歩いていると隣を歩いていた魔王が
「…あいつはもっと貧弱だった」
と呟いたのが聞こえて、ビックリした。
「…もしかして、知ってる?」
「もしかしなくても知ってる」
神話は現実っぽいです。
私達の会話は教頭にも聞こえていたみたいで、驚いた表情で立ち止まりこちらを見ていた。
「驚きましたね…君は、いったい何時から存在しているのですか?」
「答える義理はない」
短い言葉で切り捨てるように言い放つ魔王に教頭は気分を害した様子もなく「そうですか、では行きましょうかね」と話しの区切りをつけた。
無礼な態度をとられた教頭より、むしろ後ろを歩いていたアル君の殺気が増した気がしたので穏便に話をして欲しいな…と叶わない願いを思った。
「結構年寄りだったんだ」
気になっていて我慢できずに呟いた私に、前を歩いていた教頭がたまらず「ブハッ!」と吹いたのは魔王も反応しなかったので聞かなかった事にしよう。
「…魂の年月が長いだけで、僕はまだ若い」
私がこぼした一言に少し傷付いたのか、頬を少し膨らませて言った魔王は可愛かったです。
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