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他愛のない話をした後は誰も話をする事無く、黙々と歩き続けた。
長く続くと思っていた廊下は思ったよりも短く、先程の会話後からそんなに歩かない内に、最奥にあたる部屋の扉の前についた。
流石一番金がかかってます!て、感じの造りの扉だな……
白い扉の両サイドには天使をモチーフにした像があり、扉の上部分には透かし彫をしたような綺麗な金色の彫刻があった。
今まで見てきた扉より一段と重厚感があり、1人で開けるのは大変そうにみえる。
両開きになっている扉を教頭が3回ノックする。
「では、助言をもらいにいきましょうかね」
教頭がそう言うと同時に、重そうに見えた扉が音を軋ませながら内側に向かって勝手に開いた。
誰か内側から開いてくれているのかと思ったけど、中に入っていく際に誰も見かけなかったので自動的に開いたのだろう。私達が中に入ると扉も開いた時と同じように重たそうな音をたて閉まった。
何だろう、不謹慎だとは分かっているのにワクワクが止まらない。
私の悪い癖だと思う。何か新しい事・不思議な事に直面すると知りたい欲求が1番に来るのだ。
その次に不安や後悔が直ぐに押し寄せて来るのだから学習しろよ自分!と思うがどうしても直らない。
そんな性格なものだから、子供の頃は猪突猛進で男子と一緒に廊下を走ったり、知らない教室探索などしたものだ・・・。
そんな私も高校の頃には女性環境に揉まれ、空気を読んだ後に行動する事が多くなった訳ですが、行動しなくても気持ちは抑えられません。
部屋の中は白を基調にした調度品で揃えられており、中央には教会の祭壇に似たものがあった。
部屋の中に入って直ぐに気付かなかった自分に怒りたい…
その祭壇の側には模様も何もない真っ白な虎が伏せていた。
う…美しいです!!!
姿形は白虎なのに虎特有の模様はなく毛並みも艶やかで光り輝いていた。
遠目からでもわかってましたよ、そのキューティクル!
祭壇に近づきよりその綺麗な毛並みがみえた。尻尾も太く長くていらっしゃる。たまりませんね!
太くて大きい前足はクロスして伏せており顔はその上に置かれていた。
静かに近付く私達を見ていた白虎の目も一際輝いてましたとも…金色にね。
白には青か緑が好きな私は少し残念だったが、綺麗に変わりはないので眼福です。
白虎の前で教頭が膝をつき頭を下げそれに続きアル君も同じ動作をしたので私も慌てて同じように頭をさげる中、魔王はそのままの姿勢で白虎を正面から見つめた。
そんな姿にアル君が気付き「無礼だ!頭を下げろ!」と小声で睨みながら注意していたが、魔王は鼻で笑ってきっぱりと言った。
「敬う気持ちはないからな、頭を下げる必要は無い」
まじ何様魔王様!?
…あ、でも神様と魔王とか敵同士にあたるわけなのだろうし。
この態度も分からなくも無いけど…アル君ブチ切れ数秒前で私はヒヤヒヤだよ。
「よい、他の者も顔をあげよ」
白虎様はノソッと顔だけをあげると凛とした声で言われた。
声も美声なんて羨ましすぎるよ!
「久しいな魔界の」
「僕はもう会うつもりもなかったけどね」
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