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続 番(つがい)の男~R18腐ニ次創作弱ペダ福新
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練習終りがちと早く、珍しく時間があいた。
泉田、からかおうと捜していたら、福富が寄ってきた。
「きょう、おまえのところ寄っていいか?」
あの日と同じ流れだ。
「今日も四時半まで誰もいないけど、いいのか?」
「構わない。というか有り難い」
何があった寿一。
自分で立てた誓いを自ら破るやつじゃないはずだが。
「まあ来な」
やっと目が合った泉田に、今日はNGと目線で知らせた。
泉田は察しがいい。
とり立てて質問などせずに、自主練に散っていった。
ベッドとシャワ一は今回なしで、俺たちは直接コーヒータイムに入った。
「で。用なに」
悪気はないがツッケンドンになる。
俺からおまえを奪ったやつ(おまえ自身だバカ!)の悩みを、何で俺が聞かなきゃならない。
俺は聖人君子じゃないんだからな。
わかってるよな?
「で。悩みは何だ。野良のことか、チームか」
「…」
いやな予感。
鉄面皮の寿一が口ごもるような話って…
「誰とヤった!」
「総北の…」
「総北の誰だ!」
「金…城…」
何いいいいいっ!!!!!
「例の件を謝りに行ったんだ。それだけのつもりだった。ほんとだっ」
本当でも何でも!!
俺は立ち上がり、寿一も立ち上がらせる。
「も一度謝りに行くんだ。俺が付き添う!」
夜半、病院へ、唐突に訪れた俺たちを、金城は黙って受け入れた。
不用意に、ベッドに臥ったまま面会した自分が悪いとさえ言ってくれた。
てめえは悪くねえ、このバカを、思いきり罵って、踏んづけてやってくれと喉まで出かかったが、かろうじて飲み込んで、
「ありがとう。本当にすまない」
と、頭を下げるのが精一杯だった。
帰途、並んで歩きながら寿一はポツポツと語った。
俺に不満はないし、荒北にも不満はない。
ただ…
痛々しい金城見てたら、なんかこう、ムラムラして…
「おめさんなあっ…」
言い募りかけたが、言葉が続かない。
俺が傍にいれば防げた気がするし、そもそも俺が傍にいれば、事故自体起こさせやしなかった…
ただ、黙って拳を握る。
言おうか、戻ろうと。
俺たちは番(つがい)ではじめて一人前だと。
口から出そうになったその時、
「福ちゃん!」
あいつだ。
まっしぐらに寿一に駆け寄って行く。
「どこ行ってたんだヨ。俺ローラーうまくなったゼ。明日路上連れてってくれヨ。なっ!」
全く屈託がない。
俺は肩をすくめ、ふたりに背を向ける。
「お休み寿一」
「ああ」
俺と寿一の距離が開く。
明日は泉田と遠出しよう。
寿一のことは忘れよう。
約束は約束。
そしていつか…
俺はきっと全てを取り戻すのだ。
完
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