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千本刀~R18腐二次創作弱虫ペダル新開目線
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早朝。
靄の中を泉田と疾走する。
走り慣れた箱根山。
懸命についてくる泉田が可愛くて、わざとオーバーペースにしてみる。
ついてくる。
遅れながらもケイデンス上げて。
泉田…
見守っているうちに、ペダルがおろそかになった一瞬を突かれ、何と先にゴールインされてしまった。
「勝ち…ましたよ新開さん…」
荒い息で泉田が言う。
汗みづくだけど輝くような笑顔だ。
「あれ? これレースだったっけか?」
ちょっと意地悪く言うと、泉田、耳まで赤くなり、
「違いました…」
おまえはいつもかわいいな。
俺は泉田のおとがいをとる。
ふっくらした唇に、優しくやわらかくロづける。
「ヒューヒュー! お二人さんっ」
冷やかして靖友のビアンキが突き抜けてゆく。
「珍しいな朝から」
「福ちゃん失望させたくないからヨ。ヒミツ練習サ」
かなり行ってから、引き返して来て、
「ヒミツだからヨ、言うなヨ! そこの下級生もな!」
再びびゅううんと突き抜けて行った。
ちょっと複雑な気持ちで見送る。
と、気づくと泉田も俺と同じに靖友を見送っている。
「あの人変わってますよね。面倒臭いとかいって練習サボるくせに、こんなことまでして頑張ってる…経験者じゃないですよね?」
「経験者どころか…その辺の野球少年だったらしい」
「野球少年…」
泉田は怪訝な顔をしている。
「福富さんとはどういう…聞いちゃダメなら聞かないですけど」
「別にいいよ」
俺はゆっくり話し出した。
「今を遡ること千年くらいかな。京の五条の橋の上で、荒北靖友が待ち構えていたんだ…」
泉田の頭の中に、イメージが定着していくのが手に取るようにわかる。
俺は面白がって先を続ける。
「荒北は既に九百九十九台の自転車を集め終えていた。
あと一台で千台達成だ。
欲しいのはビアンキ。
白色のビアンキだ。
そしてその夜、ついにそいつが現れた。
白色のビアンキに乗った金髪男、福富寿一。
靖友は寿一に挑み、完膚なきまでに叩きのめされた…
寿一は靖友に言った。
おまえには見所がある。
俺の一番子分となってついてくるがよい。
ははあ! てなもんで…
靖友はその日から…何、イズ、ちょっと、泉田!」
イズのBHは、既に三十メートルも先に行っている。
ふざけんな! と怒るでなく、ちょっと膨れて去るイズ。
ほんとにかわいいやつ。
俺の今のイチオシだ。
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