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三人三様9 小春日和~R18腐二次創作弱虫ペダル泉田目線
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小春日和。
久々に三人で走る。
千葉へ向かう。
隼人が峰が山走ってみたいと言い出したので。
ずっと乗ってなかった僕の太腿がまず悲鳴を上げ、ハンドルを握る掌(てのひら)も、ぶつぶつ文句を言い出した。
「休み休み行こうぜ」
隼人にそんなこと言わせる自分が情けなくて、むきになってケイデンス上げてたら、寿一が笑い出した。
何?
「小野田坂道かと思った」
隼人も噴いた。
ここ笑うところ?
膨れたまま自転車を走らせる僕を、二人は追い越したり、ペダル緩めて先行したり、自在だ。
余裕のあるペダリング。
走りも美しい。
そんな二人に引いてもらって、何とか峰が山を登った。
山頂近くの駐車場から地上を見下ろす。
「知らない町だ」
「ああ」
「今は大阪とかのほうが詳しい」
「俺はダシュマの方が」
隼人がこの間まで行ってた国だ。
「また行くそうだな」
え?
「ああ。来月半ばから半年」
待って。
待って僕聞いてない。
「言えなくてな。俺もうおまえ泣かせたくない」
言われてるそばから僕は滝のように泣いている。
「嫌です」
「塔?」
「嫌です。断ってください」
「塔一郎」
「なんで隼人だけ。隼人三回目じゃないですか。なんで隼人だけ…」
人目もはばからず、僕は泣いて泣いて、美しいお二人の手を煩わせた。
それでも涙は止まらなかった。
夜。
僕は二人に抱かれた。
乱れても乱れても、ダシュマのことが頭を離れない。
この腕も、瞳も髪も、また触れられなくなる。
二度耐えた。
だから三度目も耐えられる?
そんな簡単にはいかない。
ある考えが頭をよぎる。
でもうちの社は人手不足だ。
うちの部は特に足りない。
三人休まれたらどうなったか、僕は身を以て体験してる。
それでも…
11年目を迎える前に、僕はある決断をしようとしていた。
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