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三人三様10 ダシュマ~R18腐弱虫ペダル二次創作新開目線
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新開の出立の日、泉田は見送らなかった。
「今日は用があるんで」
もの凄くそっけなく、朝早く出て行った。
前二回と同じ投宿先に荷物を送って身軽になって、寿一とメシを食いに出た。
「和風がいいだろう?」
料亭に連れていかれた。
小さいが味のあるたたずまいだ。
寿一の顔を見ると、女将は何も言わず、奥まった部屋に案内した。
牛しゃぶと豚しゃぶと後がうどんすき。
こういうものがあまり食えなくなるだろう? みたいな、寿一流の思いやりだとすぐわかった。
「日本料理屋もあるんだけどな」
「そりゃあるだろうが、ここのは特にうまい」
食後のコーヒーをやっていると、寿一が目で、誘った。
寿一が先に立ち、隣室のふすまを開く。
床がひとつのべられている。
俺はヒュウと口笛を吹いた。
上質の布団の上でもつれあう。
「お役人様っ、後生ですっ、後生ですっ」
ふざけて逃げ惑う俺を、
「生娘でもあるまいに」
悪代官ならぬ悪寿一が手ごめに…
してくれない。
泣いている。
「俺もだ。俺も塔一郎と同じだ。行かせたくない」
正面から抱きすくめられた。
寿一の涙が頬にかかる。
「ありがとな。ありがとな、寿一」
ひたすら抱きあって、横たわって、ロづけていたら、寿一のそこが反応しはじめた。
「すまん。やっぱさせてくれ」
それでこそおめさんだ。
飛行機が発つまでの数時間、俺は全身くまなく寿一に捧げ尽くした。
口で受け、手で受け、その部分で受け止めた。
巨大にすぎるその猛りを、留守中塔だけが味わうのだと思うと、狂おしいまでに嫉妬する。
俺は小さい男だな。
小さくて、チャチで、こんなにも寿一に惚れている…
後ろから貫かれ、軋む自分を覚えていよう。
その感覚を、寿一のそれを、手のひらを、ぬくもりを。
全てを心に刻み込んで、俺は出発した。
下り立った空港に、泉田塔一郎がいた。
頬染めて。
「会社やめて来ました。アシスタントとして雇って下さい。当分は、記事整理くらいしか出来ないと思うけど…」
やつが言い終わらないうちに、俺はやつの手を引いて空港のトイレに駆け込んだ。
人がいないのを確認した上で、折れるほど強く抱きしめた。
そして罵った。
「バカヤロー! やめてどうすんだっ!」
「休職とも思ったんですけど、個人的な都合だし…後のことは後で考えればいいかなって」
笑う塔一郎がかわいくて。
俺はもう一度塔を抱きしめたが、言うだけのことは言っておかねばならない。
「ダシュマは宗教的禁忌で、男性同性愛禁止だからな」
「え」
「おまえ今日から弟だから。わかったな?」
というわけでこの日から、俺には新しい弟が出来たのだった。
「ダシュマモアデ」
「え」
「ダシュマにようこそ。俺の塔一郎」
誰にも見られないように、風のようにすばやく、俺は塔一郎にキスした…
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