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アキバの休日~二次創作弱虫ペダル荒北目線
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ぽけたーとした雰囲気と、ケイデンス上げたときの別人ぶり。
ゾクゾクするようなニオイしやがる。
あいついったい何者だ?
妹についてアキバ行った日に、違う筋曲がってくあいつ見かけた。
「アキ、ユキ、自分らで帰れるな?」
「帰れるけどお兄ちゃんは?」
「ヤボ用。ホイカンパ」
千円札二枚渡して別れる。
アキ、等身大クッション持ってたな。
サイゾーとかゆーキャラのやつ。
あぶねーあぶねー。
危うくあれ、帰り持たされるとこだった…
曲がるとあいつはもう一本奥の筋を曲がりかけてる。
あんまり奥行くと、柄悪いやつ出てくんぞ。
保護者みたいな気分なって角曲がると、曲がってすぐのとこであいつ、ガチャしてて、俺は危ういとこで体を引っ込めた。
そーっとのぞく。
一番低いガチャにお目当てがあるらしく、ひどく真剣な表情でハンドルレバーを回している。
ガチャン。
ぱあっと輝いた表情が、少しだけ曇る。
ドームの中を覗き込み、あれかな、と目星をつけてるふうだが、その視線位置だと、あと六百円はいンだろ?
手のひらには四百円。
ため息ついてる。
「ホラヨ」
二百円置いてやると、びっくりしたように俺を見上げ、もっとびっくりしたように飛び上がった。
「箱学の怖いひと!」
それ固有名詞かよ。
「あらきたさんアリガトウだろが?」
「あっ、ありがとうございますっでもっ」
「でもはなし。多分こんくらいでいけんダロ?」
こんなことならアキたちに、カッコつけなきゃよかったな。
そう思いながらガチャ音聞いてると、
「あのー」
と声がかかった。
振り向くと、トッパーコート姿の長身が、キランとメガネ光らせて立ってやがる。
「そっちのひと五連してますよね。俺そろそろ引きたいんすけど」
「ああんっ」
凄みかける俺を、
「荒北さんっ」
あいつが服の裾引っ張る。
「なんしとお」
もう一人長身が近づいてくるが、この声、このイントネーション。
向こうも気づいて眉を上げた。
「クソ待宮!」
「クソ荒北ァ!」
驚きの因縁再会だ。
てことはこの、長身メガネは…
「スプリンターの東村じゃ」
礼儀正しく一礼するが、その間にガチャンと音が。
東村があーっとなって、
「六連っ」
目くじら立てている。
「すっすみませんでもっ、お金、もうっ入れちゃってたから」
「まあまあまあまあ」
待宮が割って入る。
「同じアニメのファンじゃろう、仲良うせいや」
仕切り屋様が出しゃばってきましたよー。
「ここはどうじゃろ。交替交替ってのは」
「待宮さんっ!こいつ既に六連っ」
ドカッ!
待宮の肘打ちが決まり、東村は七十センチあとずさる。
「ちっこいクライマー。回せや」
「はい」
回そうとするあいつを、俺は制した。
「先に回させろ」
「何で」
「オメェの狙いのは二つあとだ。二百円浮かせ」
「あ、はい」
頷いた。
「ど、どうぞお先に」
東村とやらが鼻嵐吹いて、おもむろにしゃがみ込む。
祈る顔でコイン投入。
ガチャリ。
カプセルが出た。
変な花柄のマニュが出た。
「ンだよ花柄って。笑かすな、よ…?」
空気おかしい。
あいつは涙ぐんでるし、東村は胸張ってるし、もしかしてこの変なのが…
「激レア…オトメマニュです…」
がびーんっっ。
俺の周りの空気が凍る。
言わずもがなの一言が、放たれるのは百パー確実。
来るっ。
「持っとるのうー東村」
ああっ…
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