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ラストラン~二次創作弱虫ペダル今泉目線
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俺はただじっと待っている。
たぶん明日あのひとは静岡に発つ。
だから今日。
俺は…
来た。
トレックの車輪音。
ブレーキング。
いま、声がかかる…
「今泉。こんなところで何してる」
「辻斬りです」
言ってカァッと頬があつくなる。
「勝ったら俺のトレックを…ってとこか。それは困るな」
斜め掛けしてたサブバッグを、路側帯の向こうへ投げ出して、
「行くぞ」
ペダルを踏み込んだ。
追う。
凄い加速。
みるみる離され、るわけにはいかない。
俺はエースを名乗るんだ。
俺はあんたを超…
軽く捻られた。
フルニ秒離されてゴールされた。
俺は汗と涙に濡れて、ガードレール際に立つ、金城さんがぼやけて見えない。
「強くなれ」
「なります!」
「誰よりも」
「はいっ」
もうどんなことばも出ない。
「ありがとうございました!」
涙で裏返った声は、『ありあとさいっしたあっ』くらいにしかならなかったけど、俺はずっと見送ってた。
広い背中。
刈られた髪。
いつも冷静でちょっとはにかむ人。
永遠の目標…
金城真護を忘れない。
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