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「よー…お疲れ」
「翔…」
「災難だな」
「ほんとな…メンドクサイ…」
「遅刻常習犯のお前が悪いけどな」
「それ言うのやめろ」
資料を運び終え教室に戻ってきたら翔が待っていた。井下翔(かける)は俺が幼稚園の時からの幼馴染で友達がなかなか出来ない俺には有難い存在。俺は皆と仲良くしたいのになんか皆余所余所しいし上っ面だけっていうか。俺はもっとこう何て言うか心から通じ合える関係の友情が欲しい訳であって、とか思ってた当時の俺キモい。だから逆にもう中学半ば辺りから友達とかそういった類の物には然程興味を示さないようにした。そんな中で唯一こいつだけが頼れる存在なんだよな。俺多分こいつと同じ学校じゃなかったら高校通ってねぇわ。
「一服して来ます」
「俺部活行くけど」
「ん、待たせて悪かったな」
「いーよ、お前1人で学校うろつかせるの不安だし」
「はぁ?意味わかんね」
流石に1年以上在学している学校だ。迷うわけない。
「多分お前の思ってる事と俺の言いたい事違う」
「?」
「…とりあえず部活行く」
「おー、頑張れよー」
翔が部活に行くのを見送って屋上に向かう。人が来る確率なんてゼロに等しいこの場所。俺の警戒心もほぼゼロにしながら煙草咥えて校舎の下に広がるグラウンドを見ていた。サッカー部や陸上部が練習に励んでいる。
「楽しそ…」
ポツリと呟いたその言葉は虚しくも空中に消えて行く。翔はバスケ部だからここからは練習見えないけど前に一度練習試合は見学しに行った事がある。うちの学校が強いのか知らないが結構盛り上がってたし翔はとりあえず女の子達からキャーキャー言われていた。シュートもバンバン入れて点決めてたしかっこよかった。
サッカーのパス回しをボーッと見ていたら、ギィ…と屋上のドアが開く音が聞こえた。
「っべ…」
先生いらっしゃったパターンですか?やべー。
咄嗟に持っていた物をスッとコンクリートに押し付けて火を消し、隠す。
「あれ?」
「…!」
何だよ、ビビらせんなよ。
現れたのは、さっき会った、そう。あいつ。
神戸生徒会長だった。
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