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放送で優木を呼び出したのに中々来ない。あいつ…まさか来ないつもりじゃないだろな…。
するとノックの音がしてガチャリと控え目にドアが開かれた。
「失礼します…」
優木が入ってきた。
「おせーよ」
遅すぎ…。
「至急って言ったよな?聞こえなかった?至急の意味分かるか?え?」
「……」
俺が捲したてるとバツが悪そうにする優木。そしてすこし驚いた様に俺を見る。今、素出てるからな。
「何してたんだよ」
問いただせば少し何か言うのを迷った後に
「保健室…」
と答えた。
保健室と聞いてピンと来るのはあの保健医で。保健室と答えた優木は心なしか顔を赤く染めフイッとそらした目は揺れていた。ここの保健医は無節操で有名だ。保健医としてどうなんだよ。でも生徒からの信頼も厚いし仕事はこなすから、良くも悪くも有名だった。なんとなく嫌な予感はするが気のせいにしておきたい。しかし俺が呼び出したにも関わらず保健医とそんな事をしていたのか、と思うと無性に腹が立った。
そんな事を思っていれば優木は遅れた事を謝ってきた。大方俺が怒ってるのがここに来るのが遅れた事だけだと思ってるようだ。それこそ初めはそれもイラついたが今となってはどーでもよかった。しかしまあ、優木があまりにもしゅんとしているものだから話を変えた。
「ところで…ほら、よこせ」
多分こいつまだ持ってんだろうな。
「…やだ」
やだって…言い方…。
フイッとそっぽを向きながらやだと答えた優木が可愛いらしく見えて無駄にダメージを受けた。
「あのさ…別に擁護したいわけじゃないけど、一応俺も黙ってやってるわけ」
諦めたのか優木は俺に煙草とライターを渡してきた。
「お前もこんなんで停学になりたくないだろ?」
「俺はどうも思わないけど…翔が悲しむから…」
翔。優木の口から出てきた名前。これまた有名人である。バスケ強豪校のうちの学校でも秀でた才能の持ち主だと現バスケ部部長が言っていた。井下翔と優木は同じクラスらしいが…。井下翔の活躍を言えば表情が明るくなる優木。少しモヤッとした感情が沸き起こる。
「あぁ、それで君をここに呼んだのは」
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