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球技大会当日まで:2
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「なんだよ」
「そんなイライラすんなって」
例の如くまた生徒会室に呼ばれている俺。今日は笹原はいなくて他の生徒会の役員がいるだけだった。笹原と違って皆にこやかに歓迎してくれているけど、ごめん、俺はここにそんな乗り気で来てるわけじゃないんだよ…。
「理央も球技大会出るんだろ?」
「……出なきゃいけねぇんだろ」
「あれ?知ってたのか」
「翔が言ってた」
「なんだ、つまんな」
つまんない意味が分からないんですけど。どかっとこれまた偉そうにソファに座りながらむくれている神戸。
「んじゃあ、何出んの?」
「…バスケ」
「あー、翔君にでも教えて貰うのかな」
「そうだけど…」
俺がバスケに出ると言えばあーはいはいとでも言ったように返してくる。言い方に微妙に棘があるのは気のせいだろうか。お前だって翔が凄い事知ってんだろ。
「お前は…」
「俺?俺はね、サッカー」
「え…翔と一緒だ…」
「あ、まじで?ならどっかで当たるかもな」
まさかの翔と同じ種目とは…。でも、まあ神戸は何から何までこなすからどんなスポーツでも出来るんだろうな。神様って本当に不公平だ。完璧すぎる人間がこうも目の前に、それも定期的に向かい合わなければならない状況になるとか。俺としてはなんとも耐え難いかつ劣等感に苛まれる…。神様、俺もイケメンで天才で運動神経抜群にして下さいよ。そしたら今頃こんなところにいないような…気がする。
「もし井下君と当たる事があれば俺のクラスが勝たせてもらうけど」
神様は性格まではこいつを完璧にはしなかったんだろうな…。腹黒さだけは異常だもんな。そして、ふと思う。神戸の素はこれなんだろうけど、生徒会の人は普通に神戸に接している。と言う事は生徒会の役員だけは神戸のこの性格を知っていて多分他の生徒や教師は知らないんだろう。じゃあ何で俺にも?その辺が理解出来ない。そんな感じで訝しげに神戸をじっと見ていたら「何?キスでもしたいの?」とかほざいてきた。死ねよ。
「もう行く」
「えー」
「えー、って…じゃ」
役員の人がいれてくれたお茶を飲んで生徒会室を後にした。
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