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球技大会当日:3
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理解し難かった。何故浩志があそこまで優木理央に執着してるのか。
優木理央と言えば素行が悪いとよく噂に聞いていた。中学時代は喧嘩ばかりで碌な奴ではないと。それだけでも僕の癇に障るのに…本人を実際に見てみればもの凄く整った顔立ちをしていた。その時は悔しけど僕もとても綺麗だと思った。しかしそれを利用して浩志に近付いたんじゃないかと思うととてつもなく腹立たしかった。
この間、浩志に用があって生徒会室に出向いた。何回かノックをしたが返事がない。この日は絶対浩志が生徒会室にいるのは知っていたし、さっきも誰かを呼び出していたのは聞こえたからいないはずはないと思った。どうしても返事がないから痺れを切らしドアを開けると中にいたのはいつか見た優木理央と浩志だった。中で何をしていたかは知らないが浩志と奴の距離はもの凄く近かった。さっきの呼び出しは優木理央だったと気付いた。こいつが何かやらかしたのか。
生徒が何か起こした時の処分は本来は生徒指導の先生と教頭と校長が行っていた。しかし浩志が生徒会長になってからは生徒指導の先生が浩志の仕事ぶりを見込んでいくつかの処分を浩志に任せるようになった。浩志もやることはやる人だから、変な処分や不公正な罰は下さない。それも分かってて任せているのだろう。
「どーも」
「……」
優木に挨拶されたとき咄嗟に挨拶を返せなかった。返したくもなかった。
この時だって優木が何かして呼んだのだろう。それが例え浩志の気まぐれでも。
浩志は本当にできた奴で、本当に尊敬している。かと言って堅苦しいわけでもないしそれでいて自分を持っている。そう言った所が僕はもの凄く好きだ。今自分の中に渦巻いている感情がどうとかは理解しようとは思わないしそのうち嫌でも知り得るだろう。そうしていても浩志への色んな意味での好意については自分の中では隠せない。
だからこそ、この優木理央と言う存在が忌々しかった。
今日は球技大会だ。サッカーに出る筈の浩志が体育館に向かっているのが見えた。すぐさま駆け寄って声をかけた。
「浩志?何してるの?」
「えー?暇だから理央探してる」
「……試合大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫!あと1試合分時間あるから」
話を聞くと優木を探してるみたいだった。こんな時まで優木理央かよ…。
「あいつちゃんと参加してんのかなー?」
「さあ…優木理央は学校自体あまり来ないしね」
「でも最近よく来てるみたいよ?理央のクラスの担任が嬉しそうに職員室で話してたわ」
それは浩志が関係している事は俺には分かっていた。そしてそれがとてつもなく面白くなかった。優木になにやら勝負事を持ちかけるつもりらしい。あいつに構って何がそんなに楽しいの?そんな言葉が口から出そうになる。
そろそろ戻らなければ行けない事を浩志に告げれば笑顔で答えてくれた。
「うん」
この笑顔が俺以外にも向いている事が悔しくてたまらなかった。
優木理央はバスケに参加しているらしい。
「……」
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