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球技大会当日:11
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いつか、急にしてきたキスとは違い触れるだけの優しいキスを俺の唇に落としてきた。
「ん…」
ちゅっと可愛らしいリップ音がなる。
「理央、ごめんね」
神戸が不意に謝ってきた。何も悪くないこいつは、それは分かってる。でも完璧な彼だから、彼だからこそ自分の納得する事をしたいんだろう。別にお前は悪くないとか、怖かった、とか色んな感情が混ざりまたポロポロと涙が出てきてしまった。
「かっ、んべ…」
「……理央、俺さ…欲張りだからさ。もう一個ご褒美ちょうだい?」
「…?」
「俺の事名前で呼んで?」
「…っ………こう、し」
「ふふ…ありがとな」
神戸はふわっと笑って膝立ちのまま俺をぎゅっと抱きしめた。嗚咽が止まら無い程また涙が止まら無くなり俺からも神戸に抱きついた。何故だろうか、神戸がこの場に来てくれたのが嬉しくて堪らなかった。他の誰でもない、神戸だったことが。
「浩志…うっ…」
「うん」
「……浩志」
「うん」
何回も何回も、確かめるように名前を呼んだ。神戸…浩志は頷きながら背中をさする。
「理央、顔上げて」
「?」
「ほら」
「ふ…っ?!」
背中をさする手を両頬に添えられて上を向かされる。そしてそのまま今度は深く、深く口付けされた。
「ふぁ…んっ、んぅ」
「んん…」
角度を変えながら何度も何度も。お互いの口から熱っぽい吐息が漏れる。ふと目を薄く開いてみると浩志がとても艶やかな瞳で俺を見ていた。ドキッとして思わずぎゅっとまた目を瞑ってしまった。
「んっ……ご褒美ありがと、理央」
「……」
「立てるか?ゆっくりでいいよ」
俺を支えながら立たせてくれる。
「ありがと…神戸」
「おい」
「…?」
「名前で呼べっつったろ」
「……」
今更になって名前呼びとか恥ずかしい。さっき散々呼んどいてあれだけど。改めて我に返ると。
「閉会式あるけど…時間あるから。生徒会室来いよ。………嫌?」
「…行く」
「そ、おいで」
無意識にの袖を掴んで歩いてる事に倉庫を出て気づいた。咄嗟に離したらそのままグイッと腕を掴まれ手を繋がされた。誰かが見ているかもしれないと言えば、みんな教室にいるからと言って離してくれなかった。
「やなの?」
「……いや、別に」
「じゃ、いーじゃん」
そのまま2人で生徒会室に向かった。
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