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戸惑い
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「…何でそんなずぶ濡れなんだよ。つか泣いてる?」
「泣いてねぇよ…」
翔に促されて保健室にやって来た。
浩志…何言いに来たんだろう。
もう生徒会室に来なくていい、お前で遊んでただけだから、勝手に好きになるなよ?
どんどん勝手な被害妄想が浮かんでくる。自分で考えて自分で凹んでいる。またジワリと涙が滲んでくる。
「やっぱ泣いてんだろ」
「うるせぇな!…ベッド借りる」
「おい、濡れんだろうが。着替えろよ」
「………」
「無視してんじゃねぇぞ」
あー、なんかもう自分の気持ちとか浩志の気持ちとか翔の気持ちとか考えたら頭がごちゃごちゃしてきた。
鼻をすすりながらベッドの枕に顔を埋める。
すると、シャッとベッドの仕切りのカーテンが開かれた。
「お前な……ベッド濡れるだろうが」
「………」
「……おい!」
「痛い痛い痛い!!!」
頭を掴まれて無理やり起こされた。
「いいか?お前の悪い所は人の話を聞かないことだ」
「は?なんだよそれ」
「自分でどんどん突っ走ってっから悪いんだよ」
「………」
「どうせまたしょーもない事で泣いてんだろ?うぜぇからとっとと着替えろ」
「………」
いきなりけーちゃんに怒られた。
人の話を聞かない…。
確かにそうかもしれない。なんかあんまり物事考えずに行動してるし…。でもいま悩んでる事は………。
「理央!」
「…っ?」
保健室に大きな声が響いた。
入口の方を向けば…、
「浩志…」
俺と同じ様にずぶ濡れになった浩志がそこにいた。
何で…?翔と話してたんじゃないの?
どうしてここにいるのか、何しにきたのか。様々な疑問が浮かんでくる。俺に会いにきてくれた、それでもやはり今は顔を中々見れなくてベッドのシーツを手繰り寄せ顔を隠そうとするが、
「おい、やっぱりなんかあったのか……さっきも言ったろ?話を聞く事をしろ。会長さん、なんかお前に言いたいみたいだな」
「……で、も…」
「んじゃ、俺は出ててくわ。職員会議に出す資料校長に見せに行ってくる」
俺の頭を掴みながらけーちゃんに諭された。そして保健室を出て行ってしまった…。
浩志と2人きりだ。
ああ、ほら、まただ。
視界が霞む。
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