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そろそろ生徒会室に戻ろうとした時だった。
「うえっ…」
廊下の角を曲がろうとしたら向こうから曲がってきた誰かとぶつかってしまった。俺があっと声を上げた時にはもう遅く相手が大量に抱えていた紙の山が廊下に散らばった。
くっそ、フラフラしながら歩いんてんなよな…。息抜きはしてきたものの最近妙に過敏になっている神経。意識しなくてもイライラしてくる。
どうせ鈍臭い野郎がぶつかってきたんだろうとため息を吐きたかったが周りには他の生徒もいる。極力普段は真面目のいい子ちゃんの生徒会長を貫いている俺は面倒ながらもなるべくいつも通りの笑顔でぶつかって来た相手に顔を向けた。
「だ、大丈夫ですか?すんませんでした…」
一瞬ハッとしたがそのまま答えた。
「いや、俺の方こそごめんね?拾うよ!」
ぶつかって来た相手に俺は目を瞠った。こいつは…
たしか、優木理央。不良だの何だの言われてるがその見た目からか中々気に入ってる奴も多い。髪の毛はサラサラで艶のある茶色がかった髪。肌は白く目は猫目で睫毛が長かった。話には聞いていたけど実際にこんな近くで見るのは初めてだった。不良と呼ばれるには相応しくない見た目、こんな綺麗な人間がいるのかと驚いた。
「あー、…会長か…」
散らばったプリント類を拾うのを手伝っていると不意に彼の口から聞こえて来た言葉。
「ん?何かな?」
俺が何と聞き返せばなんでもないと返って来た。言い方から察したけど、こいつ俺の事知らないの…?別に自惚れてる訳じゃないけど生徒会長をやっている上にそれなりに信用もあるから俺の事を知らない人間がいる事実に驚きを隠せないのと同時に俺はお前の事知ってんのに…とイライラとした変な不快感に駆られた。
「あとは俺やっときます、ありがとうございました」
「そう?ごめんね、これからは曲がり角には俺も気をつけるよ。君も遅刻して先生に仕事押し付けられるような事がないように気をつけてね、優木理央君」
「…へ?」
半分謝罪半分嫌味を含めながら謝り、最後に名前と笑顔を付けてやれば彼は面食らったというよに目を丸くしていた。この顔を見る限り図星だろうか。周りで女子がキャーキャー騒いでいるのが耳障りだけど、優木の驚いた顔を見れた事で俺は満足してその場を去った。
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