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優しさ、とは:1
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「はぁ…」
気が重いし身体も重ければ瞼も重い。
「おい、理央。授業行け」
「やだ。けーちゃん冷たい」
朝の保健室のソファにダラりと横たわればデスクの方から声がかかる。俺が1時間目出ないとかデフォでしょ。行くわけねぇ。
「体調悪い可愛い生徒にそんな辛辣な言葉かけるとか保健医としてどーなの?」
「そんな毎日毎日体調わりいなら病院行けよ」
ひでーな、くそ保健医が!
保健医って言ってもこんなチャラチャラしたやつが保健医なれるんだから世の中わかんないわー。というかこいつを採用したこの学校がわかんないわ。
「俺が来ないと寂しいっしょ?」
「女の子が定期で来るから別に」
「うわ、さいてー」
「どーも」
身体を起こしてけーちゃんを一瞥する。コーヒーの入ったマグカップを持ちながらソファに座ってきたクソ保健医の宇野啓一。俺はけーちゃんて呼んでるけど。ルックスだけは無駄にいいから女の先生とか女子生徒が黙ってない。これで中身も素晴らしかったら俺は尊敬する。
「マジ何で保健医やれてんの」
「頭いいから」
「はいウザいー」
「頭悪そうな答え方すんな」
ほんと腹立つなこいつ。俺に対しての意地悪具合が半端ない。女の子達、騙されてんぞ!
「もーちょっと優しくできないわけ?」
「はー?」
「気が重いのは本当なんだし…」
「……」
実際、昨日の帰りの事がある。悪いのは俺だけど厄介な事になった。神戸自体が嫌なわけじゃないが生徒会室の呼び出しとかがだるい。そもそも何のために。それならばれて停学にでもなった方が楽だわ。翔は悲しむかもだけど…。
「優しくねぇ…」
「うん」
「こっちの方なら優しくできんだけどな…」
「ちょっ…は?」
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