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「よし!じゃー、殴りまぁーす!」
「わ、待て!そうじゃなくて!!!」
グイッとそのまま俺の浴衣を掴み体を持ち上げる。空いてる方の手は拳が握られていた。
待て待て待て!まじで俺殴られんの?!?!
「おい、理央。もう離してやれ」
「い、井下…!」
今の俺には井下が天使、いや神様に見える。
「えー」
「こっち来て座っとけ」
「おー!」
はぁ、危ねぇ…。マジで殴られるかと思った。にしても井下の言う事はああも素直に聞くんだな…。
井下が手招くと優木は俺の上から立ち上がりフラフラと井下の元へと歩いて行った。
「危なかったな」
「義明、お前も何とかしてくれればよかったのに!」
「なんか俺まで殴られそうで嫌だもん」
畜生!!
恨めしく義明を見ていると、
「翔ぅー、かーけーるー」
「はいはい」
「ん…」
おいおい…。
優木は座ってる井下の後ろからぎゅっと抱きつき首に顔を埋めていた。
「理央、食いにくいから離れろ」
「うー、やらぁー」
未だ料理を食べている井下だが、優木に抱きつかれているため食べにくそうにしている。優木は離れろと言われ、いやいやと頭を井下の首にすり付けている。普段の口が悪くだらりとしたイメージの優木とは全く違うその姿に俺も義明も口をあんぐりと開けていた。
「こっちに来て座れとは言ったけど、俺の後ろに座れとまでは言ってないんだけど」
「やら!ここがいい!」
「はぁ………好きにしろ」
「うん、するぅー」
駄々をこねたかと思えばきゃっきゃっと笑い出す優木。やら!とか可愛過ぎんだろ!!その笑顔と滑舌に鼻の奥で嫌な予感がしてすぐに鼻を押さえる。ていうか、井下はなんであんな優木にくっつかれて平常運転なわけ?!俺なら即ノックアウトなんだけど!!
「高明顔にやけてんぞ……井下ー、優木酔うといつもこんなんなの?」
「うん。慣れてるっちゃ慣れてる」
「すげぇな……」
「なる事分かってたなら止めろよ!」
「えー、面倒くせぇし…それに」
「?」
急に箸を置き抱きついている優木を自分の体から離し、そのままグイッと優木を前に押し出してきた。
「“可愛い”理央見れてお前的には良かったんじゃねぇの?」
「ぁ、んっ…」
「「っ…!!!」」
何をし出すかと思えば…
井下は優木を引き寄せると耳元に息を吹きかけたのだ。優木はぴくりと反応して肩を震わせ声を漏らすと、赤い顔のまま潤んだ瞳を俺と義明に向けてきた。
やばいやばいやばいやばい。
「なーんてな、理央早く酔い覚ませよー」
「つっ…」
井下はパッと優木から離れデコピンを食らわせていた。
「い、井下お前なぁ…」
「なんだよ……って、おい理央!いい加減にしろ!」
ニヤニヤとした顔を俺と義明に向けてきた井下に突然優木がガバッと勢いよく抱きついた。
「翔ぅ…ん…」
今度は前から抱きつかれている。う、羨ま……げふんげふん!!羨ましくなんかないぞ!!
井下は呆れ顔になり、優木の腕を持ち、ゆっくり立たせると部屋の入り口に歩き出す。
「はぁ……こいつ引き取ってくれる奴のとこ連れてくわ」
「お、おう…」
じゃ。と言うと立たされながら尚も井下にべったりの優木を引き連れ部屋を出て行った。そして出て行く直前に優木が、
「ん、行ってくるぅー」
と顔をほんのり赤くしたままにへら~とゆるゆるの顔で笑いかけてきた。
「なんかすげぇな…優木。そんであんな状態で平然としてる井下も…って、高明どうした?」
「ティッシュ取って下さい」
なんか色々俺的にはもう限界でした。
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