アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
仕掛けられた
-
理央を先にトイレから出し、俺はまたトイレに戻った。
「なんや~、理央行ってもーたんかー、つまらん」
「白木…何してた」
「ん?理央と話してたんやでー」
「ふん、トイレで朝から仲良くお喋りかよ」
「そー、仲よーくお喋り」
ふふん、と小馬鹿にしたような目付きをしながら話す白木。
「仲良ーく話しとった所に会長さんが来たもんやから…」
「邪魔だったか?」
「そりゃもー、邪魔ちゃう言うたら嘘んなるな~」
ニヤニヤしながら着ている制服を整える白木。トイレの鏡を見ながら髪も整え始める。
会長さん、なんてこいつに言われる事自体気に入らないし…さっき理央を外に連れ出した時に若干息が上がっていたのが分かった。それだけでもこいつらが何をしていたかなんて瞭然だった。
「で、会長さんは何しに来たん?」
「理央を探しに来た」
「へー……探しに来ただけの割にはめっちゃ顔怖いんやけど」
「は?気のせいだろ」
「俺とこんなとこで話しててええの?皆んとこ戻らんとあかんのちゃう?会長さん」
「その会長っての辞めろ。お前なんかに呼ばれたくねぇよ」
「おー、こわー。堪忍やって…神戸先輩?」
先輩?こいつ……年下だったのか?関西弁とかタメ口とかそんなの関係なしにただただ喋り方が癪に障る。
昨日俺の部屋に来た時から明らかだった。こいつが理央に気があるのが。
「はー、まぁええや。今日またこの旅館泊まるんやろ?神戸さんとこの学校。そしたらまた理央に会えるやろし」
「理央に…余計な事すんじゃねぇよ」
「余計な事ってなん?てか、神戸さんと理央ってそういう仲なんやろ?」
「………」
「せやけど別に俺が何しようが俺の勝手や思てるから~」
そう言い俺を一瞥してトイレから出て行った。
トイレに俺の舌打ちの音だけが響いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
102 / 231