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それでも奴はやってくる
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部屋から出て近くの広間の椅子に座る。ふー、と息を吐きながらシャツを動かして空気を取り込む。
「あ、俺ってほんまついとるなー」
「?!」
少し間の抜けた声後ろから聞こえた。すかさず振り向けばそこにはニタニタ笑う金髪がいた。
「由邦…」
「そんな嫌そうな顔せんでや~」
「嫌にもなるっつーの…」
朝にあんな事をされているのだ。それに浩志に見つかっている。
「朝のはさ、ほんま悪いと思ってるんやって。ごめん」
「……あの後…、何話してたんだよ」
実際気にはなっていた。2人が何を話していたのか。
「んー?別に大したこと話してへんよ」
「本当かよ…」
「ほんまやってー」
ケラケラ笑う由邦がどうも信用できない。まあ、元からこういう奴だとは思っていたけど。こいつも反省してるんだろうし。しょうがないなと思った。
「てか、なんー、今日は浴衣ちゃうやん」
「あれは着せられただけだ!俺は普通にシャツにスウェットでいたいんだって」
今日も風呂から上がった時に前田が浴衣を持ちながらにじり寄ってきた。それを俺は頑なに拒んだ。
「あれめっちゃ似合っとったのにー。昨日も抱きかかえて運んどった時胸元はだけとって、俺もー、理性保つの必死やったんやで?」
「は?抱きかかえるって?つか理性って意味分かんねぇよ!」
「だから言ったやん?理央んとこの会長さん、神戸やっけ?神戸さんとこに翔君と運んであげたん俺やって。お姫様抱っこしてあげたんやで?褒めてや~」
お、お姫様抱っこ?!!はぁ?!
それをこいつにされた訳?!
「酔っててな?めっちゃ可愛かったんやで?」
「俺は覚えてねぇ…」
「うん、でも俺は覚えとるから」
ニコッと笑って俺の横に座ってくる由邦。
「お前さ…本当何考えてるの」
「んー、理央のこと」
「バカ……確かにお前には恩があるよ。でも、何で俺がお前にちょっかい出されなきゃいけないわけ」
「ちょっかいちゃうのに~。ちょっかいやと思われてんのは心外やわ~」
「なんでだよ」
「ほならちょっかいやと思われない事してまうよ?」
「っ……」
ニヤリと由邦の口角が上がった。
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