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訪問
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「理央ー、開けて欲しい」
井下がインターホンを押しても反応がない為ドアの外から声をかける。
放課後、井下と理央の住んでいるマンションに行った。マンションの前までは行った事はあったが部屋まではまだ行った事がなかった。井下が部屋を知っているという事に多少の嫉妬心が生まれそんな自分に溜め息が出る。今はそんな事思ってる場合じゃないんだけどな…。
「りーおー……いんだろ?」
コンコンコンと三回ドアにノックする。暫くするとガチャリと控えめにドアが開いた。
「………」
「あ、出てきた」
ドアから顔を覗かせた理央。うかない表情をしていた。
「神戸からちょっとは話してもらったけど…理央に聞きたい事がある」
「あぁ…」
「上がっていい?」
俺と井下を交互に見ると静かに頷いた。
理央の部屋はシンプルで無駄な物がなかった。と言うより物がなさ過ぎ?
俺と井下は床に置かれたテーブル前に座り理央はベッドに倒れこんだ。
「今日はずっと…家にいた」
「そうか…」
ぼーっと天井を見上げながら話す理央。
「外出歩きたくなかった。会いそうだから」
「だな」
「…………琳の事だろ。聞きたいの」
「無理に聞くつもりはねぇよ…」
「いやいや、いいよ……昨日あんな事会ったし浩志には後々言うつもりだったし……どうせ翔が俺に聞けっつったんだろ?」
ぐるりと体を反転させ枕に顔をうずめながら話す理央。はぁと溜め息を漏らす。
井下がテーブルに頬杖をつき理央を見つめる。
「俺高校入る前までは隣の街だったからさ。住んでたの」
そう言いぽつりぽつりと話し始めた。
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