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過去2___出会い
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「ぐっ…うっ…ぐぁっ…!」
頭を鷲掴みにして顔を上げさせながら鳩尾を膝で蹴る。目に涙を浮かべながらえずく。
「うっぜ…」
倒れこんだ所をまた蹴ってやればそのまま背を丸めて蹲る。
そりゃ毎回遅刻やら授業を抜け出してれば教師にも怒られるに決まってる。生活指導の教師に呼び出されて怒鳴られた。頭を軽くはたかれれば頭の中で何かが切れる音がしてそのまま近くにあった机を蹴り飛ばして話をしていた部屋を出た。
校舎の外を出ればたむろしていた3年と2年の集団と出くわした。気が立っていた俺は此方に向けられた視線が気に入らなくてそいつらに突っかかっていった。
後に俺を心配して探しに来た隆と祐が来ても俺は構わずそいつらを殴り飛ばした。何人かは逃げ出したが最後の1人は逃がさないと自分の気が済むまで蹴っていた。俺の行動が尋常じゃない程暴力的だったから隆と祐は何も出来なかったんだと思う。それでも俺を無理やり止めに入りにきた。そうしなかったら俺は止めなかっただろう。
「てめぇ俺がやったって言うんじゃねぇぞ?」
その頃からだったか。誰構わず自分がムカついたらイラついたら気に入らなかったら勝手につっかかり喧嘩をふっかけていたのは。
でもそんな時にあいつが現れた。
この日もイライラしてた俺は学校の自販機の前に溜まっていた2人組に絡んでいた。
「理央ちん、やめようよー…」
「お前最近そういうの多すぎ」
「うるせぇな…俺の勝手だろうが」
隆と祐が止めるのも聞かずに胸ぐらを掴んで殴ろうとした。その時、
「お前がやってんの?」
「「「?!」」」
突然聞こえて来た知らない声に俺らは驚く。その間にするりと俺の手から逃れた男ともう1人は足早に逃げていった。ちっ…。最悪。
「誰構わず殴ってんだろ?」
「誰だてめぇ」
「すげぇ目付き」
ニヤニヤ顔で現れたその男。
「あ…俺こいつ知ってるよ…最近転校して来たんだよ!なんだっけ…えっと」
「桐島琳です、よろしく~」
ヒラヒラと手を振りながら俺たちの所に近付いてくるそいつ。
「こんな可愛い顔してやる事エグいな」
「っ…触んな!」
俺に近付くなり桐島の手が俺の頬に触れた。それを俺は片手で払う。
「転校生君がどうしたのこんなとこで~」
「授業暇じゃね?」
「あれまー」
俺が払った手をさすりながら隆に笑いかけながら話す。
「……行こうぜ…」
水を差されて毒気を抜かれた俺は隆と祐を連れてその場を後にした。
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