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過去8___自分の将来
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________.....
3年になった俺たち。相変わらず喧嘩もするし4人で遊んだりもする。
でもそれも徐々に出来なくなっていた。
隆と祐が高校受験をする為に塾、予備校、学校で残っての勉強など俺とつるむ時間が減ったからだった。
かと言って別に隆たちに不満とかは微塵もない。むしろ応援している。隆は兄貴がいてその兄貴が通ってる高校がいい環境ってのを聞いてるらしくてその学校を受けようとしてるみたいだった。祐は家が自営業で工場を営んでいるから工業高校に行くつもりらしい。
いつも俺と一緒にいて勉強もまともに出来てなかったのに…申し訳なく思った。それでもやっぱり2人と居れる時間が減ったのは寂しい。
そんな俺に優しくしてくれるのは琳だった。
「理央ちんごめんよ~……今日学校残って祐と勉強してくから琳と先帰ってて!」
両手を顔の前で合わせながらごめんと頭を下げる隆。
「おー!頑張れよー」
「悪りぃな…」
「んじゃ、俺ら帰るから」
また明日なー、と言い隆たちと別れた。
「琳はさ……高校行かねえの?」
琳は頭いいしそれなりの所は行けると思う。それなのに受験勉強する気配はなかった。
「俺?…んー、まだなんも考えてねぇな。担任にも色々聞かれたけどまだ分かんねー、て言ってある」
「へぇ……」
「……お前は?」
正直高校へは進学する気はない。中学卒業したら高校に行くのが普通みたいになってる今の時代。高校行かないってだけで変な目で見られる。別に行く行かないは個人の自由なのに。
「特に…行くつもりはない…行っても途中で辞めるかもだし」
「それじゃあ働くの?」
「まあ…そうなるかな」
中卒で取ってくれるとこなんて、高が知れてるけど。
「みんな頑張ってんのに…こんなんでいいのかな俺」
「いいんじゃないの?俺もなんもしてない」
「琳は何でもできるから…なんとかなるよ」
「そんなことねぇよ…やりたい事やんなきゃ意味ねぇ」
そう言って笑いながら俺の頭をポンポンと撫でる。
今俺が1番やりたいことは隆、祐、琳達と一緒にいることだった。
「うわっ」
「…ったく」
急に後ろからクラクションが鳴らされたかと思うと琳に腕を引っ張られる。
「危ない。理央、たまーにボーッとしてるよな」
「わり…」
俺の横を車が通り過ぎて行く。琳は車に軽く頭を下げると、そっと俺の腕を離した。すごいな、俺なら絶対運転手睨んで舌打ちするんだけど。そう思いながら改めて琳のスマートさに舌を巻いた。
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