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過去10___呼び出し
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「やべぇって!!木田先輩、優木理央に喧嘩ふっかけたらしいぞ!」
「は?まじ?あの人一回優木にやられてんだろ?懲りねぇな」
「いや、それがなんか高校で一緒んなった元西中とかの奴らとか引き連れてるらしいぜ」
「はぁ?やば。さすがの優木でもな…」
明日から夏休み。
騒がしくなる教室ではそんな会話が飛び交っていた。
そこに理央の姿はなかった。
「はぁ…」
屋上で1人寝転びながら空を眺めていた。嫌なほど雲一つない空とは裏腹に俺の心は曇っていた。
嫌な予感が拭いきれない。
ケータイの着信音が鳴った。
「………」
知らない番号だったが今は出なければ行けない気がした。取れば何かが起きる。しかしそれは取らなくても結果同じだと思った。
「……」
〈よお、優木〉
「…誰だよ」
〈おいおい、ひでぇなー。殴った相手は一々覚えてないってか?〉
その声は紛れもなく木田だった。電話越しでも分かるニヤニヤ顔に苛立ちを覚える。
〈……明日の20時。内田製鉄所の第一倉庫に来いよ。てめぇには嫌でも思い出させてやるからよ〉
そう言いいプツッと電話は切れてしまいツーツーと無機質な電子音だけが耳に木霊した。
来なかったらわかってるよな?とでも言いたげに事を話していた木田。
こんなくだらない事に付き合ってる暇はない、そうは思うものの行く気はあった。別に木田とかどうでもよかった。ただ、出向いたらやる事やってるじゃん俺、って。夏休み始まったってみんな受験勉強してるだろうし、今だって何もしてないのは俺だけで。
バカみたいな内容でも何かしていたかった。アホだよな、とか思いながらもまた空を仰いだ。
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