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理央の話は聞けた。
そんな事があったのか、と。
他人と深く関わろうとしない理由が分かった気がする。自分で全ての責任を感じてしまっていたんだろう。
理央は桐島の事を憧れだと言っていた。今は本当にそうなんだろう。会うまでは気持ちは殺していたらしいが。
でも当時の桐島への琳の気持ちは憧れだけと言ったら、昔の話をする理央の顔からは俺はそうは思えなかった。
理央と桐島との接触を避けたい。でも理央に気持ちのケジメをつけて欲しい。理央と桐島に話をさせようと思ったのは、俺の勝手な願いだった。
「これ」
理央に桐島から受け取った電話番号が書かれた紙を渡した。渡さなくていいのなら俺は渡したくはなかった。でも理央が桐島と話したいと言った。それなら俺はこれを渡すべきだと思った。
「ちゃんと…話すよ、琳と」
駅前で桐島と会ってしまった事でもう引き返せないんだ、理央は。会ってしまった以上避ける事のできない状況。
桐島が理央をどう思おうが、理央が桐島をどう思おうが。
もし理央の気持ちが変わっても…
俺はお前が好きだから、と。
理央の家を後にしてからも考える。
あとは理央に任せる。俺が手を出していい問題でもないんだ。理央自身が話をつける機会だから。理央が俺の事を想ってくれているのは分かる。それでも何が起きるか分からないのが今の現状だ。
ただ理央自身の心の成長を願って。
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