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過去16___雨(桐島琳)
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_____.....
木田翔太が理央に仕返しをする為に呼び出す、という話は周りの奴らから聞いていたし何と無く頭の片隅に置いておいた。
噂だし本当かも分からないからそんなまともに考えてはいなかった。けど、万が一って事もあると思い一応理央の周りの事は警戒していた。
優木理央という人物は綺麗で、強くて、それでいて儚かった。自分に対して何らかの負い目を持っている。でもそんな所が俺にはよりいっそう魅力的に見えた。
イギリスから日本に移り住んで日本の学校に通う事になった。そんな時、入校先の学校には少々荒れ君の男がいた。それが理央だった。喧嘩っ早いのか知らないけど理央の周りには色んな奴らが倒れてた。
そんな理央も話してみれば反応がとてつもなく面白いし可愛く思えた。いきなり現れた俺をすんなりと受け入れてくれる祐と隆。その4人で行動する事が居心地もいいし楽だった。
理央はよく俺の事をかっこいいと言ってきた。かっこいいって何?どの変が?自分ではさっぱり見当もつかなかった。
でも、そのうち理央の前ではかっこよくいたいって思う自分がいる事に気付いた。理央が俺に憧れてるっていうのが分かって、嫌とか思わないしむしろ嬉しい。
理央の楽しそうな顔も哀しそうな顔も怒ってる顔も傍で見ていると何故か俺は落ち着いた。俺の前では全てさらけ出してくれてるんじゃないかと。本当に大切な存在として扱いたかった。
嫌な話を聞いた。
理央が本当に木田に呼び出されたと。別に俺は理央を信じてない訳でもないしあいつも馬鹿じゃないから下手にやられる事はないと思う。それでも木田はたちが悪いと噂している奴らが言っていたのを耳にした。
その日は雨が降っていた。
俺の目の前には1人の男が倒れていた。
口の端が切れて血が出ているが雨で滲んでいる。頬や目の上、シャツの袖から伸びる腕には赤や青の痣がいくつもついている。
手足は紐で縛られており見た感じ意識はなさそうだった。俺は傍に寄りしゃがみこんで男の上に傘をさす。
そっと顔にかかる前髪をよければいつもの綺麗な顔にはいくつもの痣や傷があった。
クラスの奴らや色んなツテを使い井下翔に連絡をとる。
自分の大切な人を傷付けられて怒らないやつがいるだろうか。
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