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本当のココロ:1
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されたのが嫌、とかじゃなくて。
嫌ならとっくにキレてる。
駄目だ、と言ったのに。
虚無感…イった後でなにも考えられなかった。出してしまった事への後悔。背徳感、友達の琳とこんな事するつもりなかった。罪悪感、………琳への気持ちに応えられないくせに………そして俺には浩志がいるという事だ。
「理央……」
「んっ…ふっ…」
深くて甘くて苦くて……切なくなるようなキスを何回もされる。そんな中で俺は自分では気付かなかった。
「理央、お前……
……泣いてる?」
泣いてる?なんで?俺が?
嘘……。
嘘じゃない。
「ごめん…ごめん琳…」
「…………」
「俺違うんだ……ごめん…」
「なんで謝んだよ……」
琳は俺の上から軽く退くと優しく手で頬を撫でる。親指で目元の雫をゆっくりと拭ってくれる。
「俺はさ……っ、琳の事きっと好きだった。いつもいつも格好良いなって……思ってたんだ。純粋な憧れからだったから…、俺もよく分かってなかった……」
鼻をすすりながら少しずつ少しずつ言葉を繋げようと頑張る。琳は俺の頭の上に手を置いたまま黙って聞いてくれる。
「けど……アレがあってから…俺はもうお前と並んで歩くなんて事許されないと、思ってて……軽蔑されたよな、って」
「そんな事思っ」
「違うんだ……琳がそう思ってても…俺自身が嫌だったんだよ…」
「………」
俺が悪かったって、俺の所為だって言っても琳は絶対お前の所為じゃないって言うのは分かってる。でもそれじゃあ駄目なんだ。俺が嫌なんだよ。
「だから…っ、この間…駅で琳と会った時、お前が俺の事を……俺どうしよって」
琳が俺を当時好きだったかは知らない。でも良く思ってくれていた事はなんとなく分かっていた。
「もう……俺はその思いにはフタをしてたから……俺のものに、って琳にそんな事言われたら…っ、今はもうきっとそれに応えられないんじゃないかって」
「それってさ」
「うん…っ、…………もう俺には好きな人が、いるんだ」
目から涙が溢れ出しそうだった。
「琳の事が好きだったのに…自分でっ…、フタをして。その間にその思いは風化してったのかもしれない。だから、……琳をっ、裏切って、るような…気がしてっ…」
嗚咽が漏れそうだ。
琳が俺を抱きしめる。
「そっか……うん」
「うっ……くっ……」
我慢してたのに……流れ出てくる。琳が優しく頭を撫でる度に。止まらなくなる。
「………好きな人か…。悔しいわ。でも当時は俺とお前両思いだったんだな。それ知れただけでも…俺、嬉しいかも」
ぎゅっと俺を抱きしめる腕の力が強まるのを感じた。
「俺が……もっと早くお前に伝えてればなー………はぁ」
「…ごめん」
「謝んなよ…その方がダメージくる」
溜め息をはきながら頭にキスを落とされる。
「でも…理央がそういってるんだもんな」
俺から身体を離すと衣服を整えてくれる。
「眠くなった……こうして寝ていい?」
「うん……」
琳は俺を抱きしめるとそのまま2人でベッドに横になった。俺も眠気が襲ってきたのでつられるようにして瞼を閉じた。
「琳……会えて嬉しかった。……会ってくれてありがとう」
「くくっ………こちらこそ」
「理央……好きだよ」
俺の方が先に眠りについたようで、琳の声は俺には聞こえなかった。
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