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砂浜の憂鬱
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海に来てからも無性にイライラしていた。気を紛らせようと1人で砂浜をうろついていた。
色んな奴らがいるなーって思いながら歩いていると、女何人かにしつこく絡んでいる男達がいた。
「いいじゃーん。遊ぼうよ〜」
「や、やめてよ!」
「そんなこと言わないでさー、ね?」
うわー、かわいそ。
「ちょっといい加減にしてよ!」
初めはあんま関わるのも嫌だったし面倒くさかったからほっとこうと思ってたけど予想以上にしつこくされている彼女達に同情して声をかけてしまった。
「あのー、すいませーん」
あの後絡んでる男達にだけ見えるように睨んで辞めさせるように言えば怯んで去って行った。さて、俺も行こうかなと思えば、
「ありがとうございましたぁ〜」
「お兄さんめっちゃかっこいいですねぇ!」
これが今の現状である。
君らさっきの奴らとやってる事変わんないからね?
はー、だる。
俺がずーっと流してもズルズル着いてくる。
「お兄さん1人なんですか?」
1人で海こねぇよ。
「遊びませんかぁ?」
ふいに思い出すのは桐島に絡まれて楽しそうにしてる理央の姿。別にあいつは抵抗してるんだろうけど、昔のよしみでハッキリと断ってない。俺もそれに対してとやかく言うつもりはないがもう少し考えてくれてもいいんじゃねぇの?と思ってしまう。
「情けな」
「どうしたんですかぁ?」
「あー?うん…」
「今暇ですかぁ?」
「んー?どうだろ」
俺の腕に自分の腕を絡ませ胸を押し付けてくる女。やめてくれー。
この組まれてる腕が理央ならどれだけよかったことか。
ニコニコと愛想を振りまきながら対応していると見た事のある2人がこちらを見ていた。
「……理央と、桐島…」
「こっち見てるけどぉ、知り合いですかぁ?」
「あー、まあ」
理央と桐島の所へ俺をぐいぐい引っ張っていく女。うぜぇ…。
「わぁ!かっこいい〜、お友達ですかぁ?」
「そー、友達〜」
「あ!お友達の方も一緒に遊びません?」
「えー、どうする?理央ー」
「理央君て言うんだぁ!」
桐島はヘラヘラしながら理央に話しかける。理央はと言うと女達の迫力に押され引いている。
あぁ、もうまじ気安く理央に話かけんなって…。
「あっ、えー…」
「どう?」
「っ………」
押され気味の理央は咄嗟に桐島の腕を掴んで後ろに隠れた。
それを目にした瞬間物凄くイラっとした。
そう思っていたらすでにこう口にしていた。
「いいよー、こいつらは2人で遊んでるみたいだし?俺らは俺らで遊ぼうよ」
「あ、そうなのぉ?」
「行こう?」
腕にいまだに絡みついている女を引っ張りその場を立ち去る。
立ち去る時に視界の端に、ニヤついた桐島と悲しそうに眉をひそめた理央が見えた……気がした。
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