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前田の思いつき
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「ゆーきーー!」
しばらくすると前田が何かを抱えて走ってきた。
「…浮き輪?」
「これな、借りてきたからさ、海で遊ぼ?」
浮き輪って、小学生じゃねぇんだからさ………
でもその浮き輪は大きくて大人が入っても違和感はないものだった。
「これ借りに行ってたんだな」
「ごめんな、優木そんなに俺と遊びたかったんだな?」
「いや、そこまで言ってな…」
「優木というものがありながら俺はなんて浮ついた奴なんだ…っ、ごめん、許してくれ!」
「何言ってんだお前」
ソフトクリームのコーンの最後の部分を口に放り込み訝しげに前田をみる。
訳が分からないがとりあえず前田に腕を引っ張られるがまま海にまた入ることにした。
「なー、前田ー。なんだよこれ」
「えー、何って言われてもなー」
「俺と一緒に浮き輪入って楽しい?」
そう、今何をしてるかと言うと前田が借りてきた大きい浮き輪の中に俺と前田が2人で入ってぷかぷか浮いているのだ。
なんとまあ、不毛な時間。
「楽しいよ!」
「いやいや、楽しくねぇだろ」
「優木と一緒に浮き輪に入れてるだけで俺は満足だ」
「意味がわからん」
もう楽しくないとかの次元でもない気がするけど。
まあ、この浮き輪は男2人が入っても余裕があるあるくらい大きかった。でもさ、普通こういうのって男女のカップルがやんねぇ?男2人でやっても誰得っつー話だよ。
砂浜を見ると琳達が俺らを見ながら何か話してる。あ、琳爆笑してる。
そりゃ、こんなん笑われるわ。
前田も見た目はイケメンの部類に入ると思うから俺みたいなんと一緒に浮き輪入ってると周りから痛い視線受けるのに…。
「ナンパすんな的なこと俺言ったけどさー、やっぱ前田はナンパ似合ってると思う」
「え、何それ、どゆこと。似合ってるって」
「だってイケメンだし…なんだかんだで…俺と同じ浮き輪に入ってるとか変な目で見られるよ?」
現に今も女の子がチラチラと前田を見ている。
「悪かったよ、俺がお前の行動拘束する義理ないし」
「いや、何言ってんの?お前らと遊びに来てんのは本当なんだしさ。さっきはごめんな」
「いや、俺は別に……」
浩志の事で苛立ってたのもあるから前田に対して八つ当たりとまでは行かないけどお前もか、という気持ちをぶつけてしまった。
「俺もなんか…ごめん」
「はは、なんで優木が謝んの!変なとこ気にするよなー!」
前田に頭くしゃってされた。
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