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心配性な彼との海:1
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「結局これ?」
「だってよー」
今また俺はプカプカと浮き輪に掴まり浮いてる。翔は浮き輪の外で浮き輪に掴まっている。
「する事ない」
「だから俺は寝てたんだけど」
「でもそれだとつまんないだろ?」
「……昔海きたな」
「あん時俺らまだチビだったから…めっちゃ純粋に遊んでた」
「お前変な生き物捕まえてたよな」
「多分今はもう持てない……」
昔の思い出に浸っていると、少し離れた所で女の子特有のきゃっきゃとした声が聞こえてきた。
「あ…」
「………」
数人の男女のグループがあったがその中に浩志の姿が見えて。男子も何人かいるようだが殆どの女の子が浩志の周りに集まっている。
「あれが戻ってこなかった訳ね」
「はっ……」
「拗ねてんのかー?」
「ふへへへえひ」
拗ねてないの言葉は翔が頬っぺたを抓るから上手く言えなかった。
それにしてもあの楽しそうな顔…
むかつく……
「あんまりガン見しててもバレるぞ」
「バレた所であいつは何とも思わねぇよ!さっきだって俺より女の子選んだんだぜ?……」
そんなに女のがいいかよ……
結局は可愛くて女の子特有のふわふわしてて柔らかい感じがいいんだろうなーって、浩志の周りにいる水着の女の子を見て思う。
くそつまんねぇ……
「理央ー、あんまムスッとすんなよ」
「うっ……鼻摘むな…」
「んじゃ、これ」
「いっつ……デコピンもやめろ」
おでこをさする。
「神戸に相手してもらえなくてつまんねぇのは分かるよ?でもお前もなんかしたんじゃねぇの?」
「……知らない」
心当たりは全くないのだ…
俺の相手してくれないのは俺の所為?
何がそうさせてるのかは分からないのだ。
「そんないじけんなよ……俺が相手してやるからさ」
「翔……」
「なに」
「大好き」
「気持ち悪りぃ」
ギュッと翔の胸に浮き輪の中で体の向きを変えて抱きつけば辛辣な言葉をいただいた。
海から上がって浮き輪をシートに置く。
「あー、帰ってきた。井下、理央独り占めかよ」
「独り占めも何もお前らが俺たちそっちのけで揉めてるからだろ?」
「それは悪かった。てか、前田が謝れよ」
「はぁ?!俺?謝るっつーか自然の摂理だろ?!」
「またかよ…」
倉沢がため息を吐いてもうウンザリと言った様子だ。
「理央ー、俺もアイス食いたくなったから買い行こ」
「おー!」
またも揉めてる2人を無視して本日3回目になる海の家へ向かった。
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