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心配性な彼との海:2
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「理央食ってたのこれ?」
「それそれ」
翔とアイスを再び買いに来る。
「兄ちゃんさっきも来てくれたなー、ありがとよ!」
「あ、はい…」
海の家のおじさんが笑顔で話しかけてくれる。
「にしても…毎回かっこいい友達連れて来てるな〜」
かっこいい…うん、確かに。
「兄ちゃん可愛い顔してるから、アレだな!カップル見てぇだな!!」
「なっ……それはないっすよ!」
おじさんがニヤニヤしながら翔にアイスを渡す。
「カップル……っぽいか?」
「いや、ない」
「ははは!ありがとねー!」
アイスを持ちながら砂浜を歩く。
「また会うかもよ?神戸に」
「………別にいい。あいつの所為で俺の行動制限されるのが癪にさわる」
「あー、はいはい」
翔はアイスを食べながら俺の頭をぽんぽんと軽く叩く。
「すみませーん!」
「?」
並んで歩いていると後ろから声をかけられた。
「お兄さん達ー、暇ですか?」
「うちらと遊ばない?」
うわー…
さっきの女の子達みたいにキャッキャした2人組が話しかけてきた。
これが所謂逆ナンてヤツなのか?
「え、えっと…」
「ねぇ!いいでしょ?遊ぼうよぉ〜」
1人に腕を組まれてどうしていいか分からず困っていると、
「お姉さん、ごめんね」
「わっ」
「俺ら今デート中なのー」
「えっ…」
翔に腕を引っ張られ今度は翔に腕を組まされる。で、デートって!
女の子も目を見開いて驚いている。
「なんてね、今2人で遊びに来てるからさー、悪ぃな」
「そ、そっかー!」
「残念〜、また遊んでね!!」
パッと俺から離れると、普段の無表情具合からは想像できない程のキラキラの笑顔で女の子に笑いかける。
女の子達は顔を赤くして去ってしまった。
「お前なー…」
「だってカップルみたいって言われたから」
「ばーか」
俺よりもずっと身長が高くて、顔もかっこいいし運動もできる翔。
実際女の子にモテるし。
もし翔に彼女なんかができてしまったら俺は構ってもらえないのかな?
柄にもなく寂しいなんて思ってしまった。
「翔…、彼女作っても遊んでくれよな」
「はぁ?何急に」
「なんか…思っただけ」
「えー…なんだよそれ」
学校の女子からクールって言われてるらしい。常に冷静で俺の事を心配してくれる。そんな大人っぽい翔にいつも助けられててでも悪いことは悪いって言ってくれて。
はぁ……いつか俺も巣立ち…否、翔立ちしないとなー…。
「お前はさー、神戸いんじゃん」
「………」
今普通にその名前を出してくる所が翔らしい。
「あいつは……関係ねぇし」
「お前いつまで強がってんだよ」
「………」
「ヤキモチとか妬けるようになったんだな」
ヤキモチ?
ヤキモチかー。
うん、多分認めたくないけどヤキモチ妬いてんだよ俺。知らない女の子と歩いてる姿みてイラつくしうざいし……でもそれ以上に悲しくなってきた。
「はぁー……もうなんなんだよー…」
「くくっ……悩んでる悩んでる」
「笑うな…」
「わりー、お前が可愛くて」
「るせっ」
ムッスーと顔を翔から背けるとワシャワシャと頭を撫でられる。
翔は何でもお見通しだし隠し事ができない。
はあ、とため息を吐きながらまた歩き出した。
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