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理央くんと琳くん
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「あれ?お前ら何してんの?」
俺たちの席に現れたのは、
「き、桐島!!」
「なんだよ、お前こそ何してんだよ」
何故か慌てた様子の前田と倉沢。
「俺はクラスの奴らに誘われて昼飯食ってるだけだけど」
「さ、さっき見かけたんだけどさ…」
「は?マジで?何で声かけてくんねぇんだよ」
どかっと俺と理央が座っているソファの方の席へ座る桐島。
「……誰、この子」
桐島は理央に気付いたらしく、じーっと俺の膝の上に座る理央を見つめる。
「………」
「………」
「お前……理央?!」
「「「!!!」」」
「理央にソックリだな…いや、まさかな……理央に弟なんていたか?」
「え、やっぱ桐島も優木に見えた?!」
「は?」
「いや、これ優木なんだって」
「はぁ?!」
目を丸くして驚く桐島。
無理もないか。
「いや、意味分かんねぇから」
「ちょっとー!琳くーん!」
「戻ってきて〜〜!」
遠くで桐島を呼ぶ女子の声が聞こえる。
「ちょっとあいつらに席離れるって言ってくるわ、つか、マジでその話詳しく」
バタバタと慌てながら俺たちのいる席から離れ自分のいた所へ戻っていく桐島。
「わり、……で、どういう事?」
暫くして戻ってきた桐島。何処と無く顔には疲労の影が。女子にしつこく止められたんだろうか。
「なんかな、理央が小さくなったんだわ」
「なんかってなんだよ!マジで言ってんの?」
「マジ」
「えー……」
さも信じられないと言った様子で理央を見つめる桐島。
「ふぇ…っ!」
「あ」
「おい!」
何を思ったか咄嗟に理央の頬を摘まみ出した。
急な事で理央は変な声を出して全く状況を理解していなかったが、だんだん目にジワジワと水の膜が張ってゆく。
「〜〜〜〜っ…」
「おい!桐島!」
「あ、わり……なんか掴みたくなって…ご、ごめん!」
手をパッと離して今度は優しく頬をさする桐島に、理央はあと一歩、泣くのを我慢して唇をキュッと結んだ。
「なにこれ…めっちゃ可愛いじゃん……つかこの肌の白さも目も理央まんまだな……マジで本物かよ…」
目線を理央に合わせて顔を覗き込む。
「…………」
ジーっと見つめられて理央は次第に顔を赤らめてゆく。
「理央?なんだよな?」
「……う、ん」
「へぇ〜〜」
桐島は怪しく目を細めてにやりと笑う。
「桐島あんま虐めんな。こいつ今お前の事分かんねぇんだから」
「は?どういうこと」
「多分記憶昔のまま。俺は分かるみたいだけどな」
それを言うと桐島は面白くなさそうにして理央の顎をそっと掴んだ。
「りーおー君、俺は琳。よろしくなー」
「う…、ん…」
桐島の顔が悪い顔してるな…。
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