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その7
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「〜…………よろしくお願いします。」
パチパチ。皆(というか主に外部生っぽい人)は緊張した面持ちで自分の番がまわってくるのを待ちつつ拍手をする。次は榎谷くんの番だ。
「よっこらせっ、と。」
そんなおじさんくさいセリフもイケメンに聞こえてくる。滅びろイケメン。
ふと、コソコソと話し声が聞こえてくる。
「榎谷くんだー。今年は同じクラスになれた!やったー」
「やっぱりかっこいいよね、榎谷くん。目の保養になるー!」
榎谷くんは主にクラスのチワワみたいな小柄な子から好意を持たれているらしい。まあ、イケメンだもんね、顔は。初対面の人に君童貞だよね?とか聞いちゃう人だけど。
「5番の榎谷幸喜です。みんな知ってると思うけど吹奏楽部に所属してまーす。今年もてっぺん目指すんでそこんとこよろしくー。」
部活でてっぺん目指すって、一番うまくなるってことか?ならどうしてクラスで発表するんだろう。現にクラスのゴツい人たちの空気が変わった。
「榎谷くん、榎谷くん。」
「ん?なーに涼ちゃん?」
「部活でてっぺん目指すってどういうことです?部活一うまくなるってことですか?」
「ちがうよー。あ、そっか涼ちゃん外部だもんね部活の仕組み知らなくて当たり前かー!あのねこの学校では…」
「次、川口くん。お願いします。」
榎谷くんの話の途中で俺の番がまわってきてしまった。残念だが、あとで話してもらおう。榎谷くんに謝罪して立ち上がる。クラス全員の視線が俺に集中する。手に汗が滲んできた。
「11番、川口涼助です。この学校には今年から通います。え…と、部活には家庭科部に入ろうと思います。1年間よろしくお願いします。」
ザワッ。俺が座る前にクラスの数人が俺の言葉に反応したのかざわめきだした。なんなんだろう。
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