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無言と入浴
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タクミがシーツを奪い取ろうと腕を伸ばすも、その手はマコトに捉えられた。
「さぁ、行こうか」
マコトはタクミに口元だけで微笑み、有無を言わせずに部屋の隅にある扉へと向かった。マコトは狂気に囚われた目をしていた。
タクミは抵抗しようと足を踏ん張るも、ズルズルと引き摺られていく。
マコトは目的の扉を開けると、先にタクミを中へ押し込んだ。続いて自分も入り扉を閉める。
そこはユニットバスになっていた。浴槽には既に湯が張られている。
目の前の光景に気を取られていると、マコトの手が肩に乗り、身体ごと返され真正面に立たされた。
「昨日は中の処理と身体を拭く事しか出来なかったから、ゆっくり身体を休めるといいよ。俺はタオルを取ってくるからね」
大人が小さい子供に言い聞かせるように、マコトはタクミに告げる。
当然タクミからの返事はなかったが、彼は風呂に入れるということに、少し気を許しているようにも思えた。
マコトはそのままユニットバスを出て、そして外から鍵を掛けた。
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