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No.4
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「嫌だ!公園なんて人が集まる場所じゃねぇか!行きたくねぇ!」
そう言って全力で抵抗してはいるが、
「何を言っているんですか、散歩といえば公園でしょう。大人しく来てください」
食パンマンに引きずられる形で公園に来てしまっていた。
公園というより広場と言った方が正しいようなそこには、噴水や遊具、ベンチなどが設置されていて地面は基本的に芝生で覆われている。
家族でピクニックに来るにはもってこいの場所だし、友達と遊ぶのにも丁度いい場所だ。
今すぐに帰りたい。
知ってる奴に声をかけられる前に。
いや、でもまだ朝の8時だからな。
運がよければ誰もいないかもしれない。
「あっ!食パンマンとカレーパンマンだ!」
俺が何したっていうんだ。
「おはようございます」
「お、おはよ........」
「おはよー!」
俺達があいさつすると、元気に返してくれたカバオ達だが、視線はずっと俺の方を向いているし、首をかしげている。
「なんでカレーパンマン、そんな格好してるの?」
ウサミからされた質問にどう返せばいいのかわからない。
なんだ、罰ゲームとでも言えばいいのか。それとも投票でやるはめになったと本当のことを言えばいいのか。
いや、ダメだろ。投票ってなんの?なんて聞かれたら答えられねぇし........。
「主従関係の構築をっ──」
「ばっ!何言ってんだお前!」
おかしな事を言い出した食パンマンの口を慌てて塞いでみたが、遅かったようでまた首をかしげられる。
「しゅじゅーかんけーってなにー?」
「えーっと、........あ、あれだ!メイドさんごっこしてんだよ!」
かなり酷い言い逃れだし、主従関係については一切触れてないけどなんとかこれで誤魔化されてくれ。
「なんでネコの耳としっぽつけてるの?」
そっちかよ!
どう返せばいいのかとまた考え込む。
ダメだ、全く浮かばない。
最終的に出てきたのは、ネコの気持ちを知るため、というこれまたひど過ぎる言い逃れだった。
こんなん言えねぇよと頭を抱えていると、食パンマンがひと言。
「カレーパンマンの趣味です」
「そうなの?」
「ちげぇよ!?」
なんだ、俺の趣味って!
どっちかっつーと、お前らの趣味だろーが!
「ところで、あの耳としっぽとてもふわふわなんです。触ってみますか?」
「うん!」
「ちょっと待て、俺の話を聞け!」
頼むからこれは俺の趣味じゃないって言わせてくれ。
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