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先輩と僕。
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菅原先輩と一緒に体育館へ戻ると、やはり、黄色い声が聞こえていた。
及川先輩は、僕を見つけると、おいで、と、手招きしながら、微笑んでいた。
「…優、知り合いなのか?あの人」
「はい。僕の…僕と飛雄の先輩です。菅原先輩と同じ、セッターですよ。
僕、少し行ってきます。」
僕はそういい、ストレッチをしている先輩の元へ行った。
「…先輩」
「…さっきとは違って、良い顔してたから、どうしたの?もしかして、さっき隣にいたあの灰色頭の人に慰めてもらったとか?あ。背中、後ろから押してくれる?」
僕は先輩の背中を押しながら、答えた。
「いえ。カツを入れてもらってました。先輩、僕は…まだ、…まだ大丈夫です。」
「…そうなの?そんな風には見えないよ?」
「…はい。ですけど、まだ、大丈夫です。僕は…まだ、必要とされてます…」
「…飛雄ちゃんは…どうするの?大丈夫なの?一緒にいて…。辛くない?」
「…奪われたなら、奪い返せばいいですよ」
「…そうだね。」
「…ですから、本当に折れてしまったら…先輩を頼っても…逃げてもいいですか?」
「…当たり前だよ…優」
「試合、がんばってください。」
「任せて!付き合ってくれてありがとう」
先輩は眩しいくらいの笑顔を向けて、
コートへ向かった。
「…相変わらずだな…あの先輩は…」
変わってない。
優しいところも、
心配してくれるところも。
昔のままの及川先輩。
頼れる先輩。
「ありがとうございます。」
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