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みーつけた。
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クロ先輩は見た目怖いけど、
案外イイヒトだ。
優しい。うん。やさしい。
「足大丈夫か?」
「はい。
結構治ってきてるんですよ。」
「無茶すんじゃねえぞ?」
「っ…はいっ…」
なんとなくだけど、
クロ先輩が兄だったら、いいなあとか思った。
「クロ先輩って、何の部活してるんですか?」
「オレか?
バレーだ。」
「奇遇ですね。僕もバレーです。」
「そうかそうか。今探してるオレの連れも、
バレー部なんだけどよお、
いっつも、ゲームしておとなしくてさ。」
「…そうなんですか?ゲーマーですね。」
「そうなんだよ。でも、
アイツはオレらの脳なんだよ。」
と。
わけのわからないことを言い始めた先輩をスルーしていると、
日向がいた。
一人ではなく、
金髪の…多分先輩の探してた人だ。
「日向ー!」「研磨!!」
同時に叫んだ。
「クロ。」「あっ笠井!!」
「勝手にいなくなんな。」
「ごめん。」
「じゃあな、優」
「はい。クロ先輩」
クロ先輩はそう言って去って行った。
僕は日向に向き直って、
言った。
「何で迷子になってたのー?ほら、帰ろ…」
「ありがとなー!笠井!」
日向はニコニコしてオレに礼を言った。
しかし、問題がヒトツあった。
「…ここ、どこだっけ?」
「…え…笠井…」
「…僕さ、方向音痴なんだよねー、あ。そーだ、こういうときこそ、携帯じゃん?」
僕は、スマホを取りだしたのだが、
電源が切れていた。
「…うそ…」
そう、すでに、大地先輩との通話の後に、
切れていたのだ。
「…どうしよう!笠井!」
「日向、落ち着いて!「あーいたいた。」
「「!!」」
僕らの目の前には、
菅原先輩が居た。
「菅原先輩!!!!!」
僕はまっさきに、先輩に抱きついた。
いや、ほんと、どうしようかと思ったからさ…
「うおっ…優、日向見つけてくれたんだな?
足悪いのにごめんなー…」
「いえいえー。大丈夫ですよー!
ほんと助かりました!さ、帰りましょう!」
「笠井!オレの背中に乗って!」
「いいよー。僕は二人の後を追いかけて行くから」
「迷子になりやすいんだろ?
それに筋トレになる!!」
「僕は、大丈夫だよ!」
「…優、足見せてみ?」
「え。遠慮します。」
「優」
「あい。」
怖い。菅原先輩が怖いって相当じゃないか!?
僕は仕方なく靴を脱いで、
足を見せた。
予想どおり、腫れていました。
もう、パンパンに。
そりゃ、クロ先輩とも歩いていたし、
最初に軽く走っていたのもあったし…
「…てへぺろ。」
「優!!」
「すみませええええん!!!」
怖い怖い!!!
僕は、日向の後ろに隠れた。
「…帰ったら、大地に報告だべ?」
「…あい。」
「……もっと、身体を大事にししないとさ…」
菅原先輩の言葉はそこで途切れた。
心配されてる。
それは、
僕にとって、とても、嬉しいこと。
「ほらっ、笠井!」
「重いよ?」
「いーからいーから!」
僕は日向の背中に乗り、日向はそのままダッシュし始めた。
どこにそんなパワーあるんだろうか…
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