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交代
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ダメだよ。
焦っちゃダメだってば。
飛雄、気づいて。
気づいて欲しいけど、一度焦ると周りが見えなくなるのが、飛雄。
「……なあ、影山、いつもの調子じゃなくない?……そう思わない?優……」
「………飛……雄……」
山口の声なんか入ってこなかった。
みんなとのプレーにズレが生じてきていて、見ていられなかった。
中学の時の試合を見ているようで、
すごく悲しかった。
自分の体調が万全なら……声だってかけてあげられるのに、
できない自分に腹がたつ。
また、僕が、君を傷つけちゃうんだね。
「………菅原、行くぞ。」
監督がそう言った。
きっと、交代なんだろう。
もちろん、飛雄と……。
ああ。
今の僕にならわかるよ。
君がどんな顔をしてベンチへ帰ってくるのかが……。
ピピっ
菅さんがコートへと足を踏み入れ、
飛雄は、下を向いてベンチへ帰ってきた。
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