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「あー、もう最悪だ。1日経ったのにまだ尻と腰痛い」
「だって尚が気絶するから」
「だからって5回もすんなよ。もう無理って何回言ったと思ってんだ」
そうだ。俺は壊れるからやめろと何度も蓮に言ったのだ。でも蓮は今まで我慢していた分を発散するかの様に何度も何度も俺の腰に身体を打ち付け、挙げ句の果てにはあの体位はまだやってないだのこの体位だのとあれこれ試されて。
おかげで腰はズキズキするし尻はヒリヒリするしで、最悪な入学式を迎えなければならなくなってしまった。
俺は真っ直ぐ歩けているだろうか。電柱とか道路とか歪んで見える…気がする。
「だって…」
またこれだ。
叱られた仔犬がしょぼくれている様な顔。
いい子いい子して貰おうと甘える様な声。
その二つを同時に俺へと向けてスーツの裾を握っている。
甘やかしちゃダメだ。
そうは思うものの、可愛い、好きだ!という気持ちが勝り俺は手を差し出していた。
「皺になるから離せ。掴むならこっちにしろ」
「…え、いいの?」
差し出した手に驚いた顔で俺を見つめる。
実は、今まで蓮と手を繋いで外を歩いた事がない。
「いいよ。少しなら」
「……尚、」
控えめに指先だけをちょんっと握られた俺の手。はにかむ蓮に俺の顔と手が熱くなる。恥ずかしいけれど、俺は自ら指を絡ませて深く手を繋いだ。
蓮の顔が一気に紅潮していく。
こういう反応は本当に可愛い。
「スーツ、似合ってるね」
「蓮の方が似合ってるだろ」
今日は大学の入学式だ。だから蓮も俺もスーツで、スーツを着た蓮は凄く大人の色気を放っている。
俺は姉ちゃんが見繕ってくれた黒のスーツを着ているけれど、実際蓮のスーツ姿を見たらまだまだ蓮には及ばないなと思う。別に俺が童顔って訳ではないけれど、スーツって似合う人と似合わない人って結構ハッキリと分かってしまうから。
「そんな事ないよ。今すぐにでもネクタイ解いてシャツを…」
「あー、解ったからそれ以上言うな。ほら、行くぞ。初っ端から送れるとかヤバイだろ」
繋いだ手を強く引いて大学へと向かう。
いきなり腕を引っ張られた蓮は足の爪先を引っ掛けて変な声を上げていたが気にしない。
声を上げたいのは俺の方だ。尻は痛いし腰は怠くて堪らない。
またセックス禁止令でも出してやろうかと心に決めながら大学へと急ぐ。
目的地に近づくにつれて学生や入学式に参加する気満々の着飾った母親達が増えていく中、繋いだ手を離す事も忘れて戸惑う蓮を他所に俺達はキャンパス内へと入っていった。
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